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タロン・エガートンの演技には脱毛…いや脱帽だ!『ロケットマン』

2019年08月22日

富田 薫

『ライオン・キング』の主題歌、「愛を感じて」に「キャンドル・イン・ザ・ウインド(1997年グラミー賞)」、さらには「愛のハーモニー(1986年グラミー賞)」のエルトン・ジョンの半生を演じるのは29歳のタロン・エガートン。そう、大ヒットした『キングスマン』の彼だ。  20代後半の人物がリアルタイムでエルトンに接していたとは思えないが、結果は「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックといい勝負。  孤独な少年時代から音楽に目覚め、ロックスターとして頂点を極めながら酒におぼれて挫折し、どん底から抜け出そうともがく。その一連の演技に加え、風貌の変化にも驚かされる。加齢に伴って頭部が薄くなるところも「忠実に」描かれるが、特殊メイクはあるにせよ、本当に髪の毛を抜いているんじゃないかと心配になるほどだった。  本人も案の定「彼ほどのスターを演じることは相当な覚悟が必要だった。最もプレッシャーを感じたのは撮影初日で、パニックになった。失敗したらキャリアが終わるという心配もなかったわけではない(笑)」と語る。確かに、その緊張感が常にスクリーンから伝わってくる2時間だ。  物語は、冒頭からガツンというインパクトで始まる。あの「ド派手すぎる衣装」で登場し、これからライブの本番かと思わせておいて、実は「アルコール依存症」から脱却するためのシチュエーションだと明かされる。  芸名にまつわるくだりでは、先輩ミュージシャンが「芸名が必要なのは音楽家としてではない。過去の自分を捨てて別の人間になるためだ…」と哲学的なセリフを吐く。  それらエピソードを紡いでいく名曲の数々をタロン・エガートン自身が吹き替えなしで歌っていくのも圧巻で、骨太なミュージカル映画に仕上がっている。  ただ「少年時代の葛藤」「頂点を極めてからの人間関係」「マネージャーの裏切り」「セクシャリティにまつわるエピソード」など「ボヘミアン~」との共通点が多く見られるのはなぜか?  なるほど、監督のデクスター・フレッチャーは、あの作品で製作総指揮&最終監督を務めた“陰の立役者”。これが彼の演出の「勝利の方程式」だと感じた。  本編中、ある「有名な楽曲」がサワリだけで終わり、モヤモヤ感が最後まで残る。明らかに意図的に見えるのだが、それがエンドロールで「これでもか」のフルバージョンで展開され、エルトン・ジョン世代にとっては心憎いばかりの結末を迎えるのだった。    ※8月23日(金)から全国ロードショー