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KBCアナウンサーブログ奥田 智子

「浅田家!」のモデル 浅田政志さん

2021年02月17日

奥田 智子

あなたは撮った写真をプリントしていらっしゃるだろうか?

2020年二宮和也さん主演でヒットした映画、
「浅田家!」のモデル、
写真家、浅田政志さんは、
目からうろこの写真の力を教えてくれた。


浅田さんは1979年、三重県津市で生まれた。
中学時代に写真に興味を持ち
大坂の写真専門学校に入る。
当時腰まであった髪を束ね、
侍に扮しセルフポートレートを撮っていた、というから
自撮りは年季が入っている。

あるとき「自分を1枚で表現しろ」との課題がでる。

その時、
「もし、一生に一枚しか写真が取れないとしたら…
自分は4人(父、母、兄、自分)の
家族一番の思い出話を撮りたい」と思った。

その思い出話とは…

小学校の夏休み、1階から叫ぶ父の声が。
行ってみると足から血が噴き出ている。
自分でロールカーテンの金具で切ったらしい。
母は看護師、盆踊りの練習で小学校に行ってる。
速攻で自転車で母を迎えに行き、
勢い余り、コンクリートに顎から落下して、大けが。
兄を呼ぶと階段から落ちて頭をハンガーラックで強打、
母の病院で家族全員治療を受けた。

その一日がいいんじゃないか?

この写真が学校で高評価を得る。
確かな感触をつかんだ浅田さんは
卒業制作に「家族の思い出再現写真」を選び、学校長賞。

実家に帰り撮影を続けたが
思い出もネタ切れに。
そこで、
過去がだめなら未来はどうか?

まず自分の臨終の時を作ってみた。
布団に横たわる本人。周りには悲しむ家族。
イメージは膨らむ。

家族全員で消防士だったら?
たこ焼き屋だったら?
ロックグループだったら?
高校の卒業式の日は?
7年撮りためた写真集「浅田家!」が写真界の芥川賞「木村伊兵衛賞」を獲得した。

そんな時、

2011年に東日本大震災が発生。
岩手県野田村にボランティアで出かけた際、
膨大な写真を懸命に洗っている青年たちがいた。

「大切な写真をお返しすることが皆さんの力になる」

被災者のお力になりたい。2年間写真洗浄のボランティアに通った。


その時感じたこと…

「プリントしていることの大切さ」

被災地に残ったのは、フィルム時代のプリントされた写真ばかり。
そもそも、最近は写真は撮るがプリントをしない。
デジタルのままだったら水没したら残っていないし、どこにあるかわからない。

自分はハードディスクに残しているから大丈夫!と思っているかもしれないが、
ハードディスクにしてもUSBメモリーにしても
データが消えることがあるし、取り出せないことも。

フロッピーディスクやMDは今は使えない。
それと同じように
せっかく入れたusbやクラウドはこれから5年後、10年後使えなくなるかも…!

Oh! My God!!

—どうすればいいんですか?
「プリントすればいいです!」
プリントさえしておけばこれから100年後だって見ることができるでしょう。

ーでも、プリントしたら色があせません?
「それはそれで味になると思うんです」
全部プリントしろとは言わない。
1年間お気に入りベスト10、いやベスト5でもいい。
そうやってお気に入りを選んでプリントしておきましょう。
そしてそれを飾りましょう。

ー飾るんですか?

”褒め写” っていいますが、
小さいお子さんの写真をプリントして家の見えるところに飾っておくでしょう?
廊下に張ってあると毎日見るでしょう?
すると、自分は兄弟仲いいんだ?家族に愛されてるんだ?お絵描き得意かも?
”自己肯定力が増す”という効果が生まれてくるんです!

浅田政志さんの
九州で初めての写真展「私の家族」が
イムズ8階三菱地所アルティアムで3月14日まで開かれている。
なぜか、自分の家族のことを思う時間となることだろう。

*「サトコノヘヤ」は21日までradiko.jpのタイムフリーでお聞きいただけます。

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