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KBCアナウンサーブログ奥田 智子

「いのちの停車場」に涙腺崩壊

2021年06月01日

奥田 智子

こんなに医療について真剣に考えた一年はなかったと思う。

いつかはやってくる親しい人との別れ、命の閉じ方、生きる意味…。

この重いテーマに挑んだ映画「いのちの停車場」の成島出監督と
原作者で現役医師の南杏子さんにリモートでお話を伺った。

成島監督と南さんはともに1961年生まれ。
成島監督が初めて映画を監督したのは41歳の時、
南さんが初めて小説を発表したのが54歳。

ともに遅咲きのスタートといっていい。

成島監督が「八日目の蝉」(2011)で日本アカデミー賞を総なめしたのは記憶に新しいが、
それ以前に「T.R.Y」「クライマーズ・ハイ」などの脚本、
脳死肝移植をテーマにした「孤高のメス」を監督している。
この作品が吉永小百合さんの目に留まり、
「医療をテーマにした作品を一緒に作りたい」と声をかけられた。

しかし、当時いい原作が見つからず、
そのうち監督が肺がんの病に倒れた。

吉永さんは
「早く病を克服して
一緒に映画を撮りましょう」

という手紙とともに
がん封じのお守りを送ったという。

つまり今回、吉永さんとの10年来の約束を果たしたのだ。

一方、南杏子さんは、
一旦は編集プロダクションや出版社に勤務後結婚退社。
出産後、33歳で数学や物理のない東海大学医学部に学士編入、
医者になるという異色の経歴。
現在は高齢者施設で勤務する内科医だ。

理解のある夫とともに通った小説教室で腕を磨き、
終末期医療をテーマにした「サイレント・ブレス」で小説家デビュー、
この「いのちの停車場」が4作目の作品だ。

成島監督はゲラの状態で作品を読み、早速映画の制作に取り掛かった。

なんという奇跡のめぐり合わせ!

救急救命医だった女性医師が故郷の金沢に帰り、
在宅医療の専門医として働く物語。
そこには、
老々介護、半身まひのIT社長、小児がんの女児など様々な患者と向き合う中で
一つ一つの命を輝かせる最良の方法を考える一人の女性の成長の物語がある。

そして究極の選択、
「もしも、自分の親が“死”を望んだら…」

この問題を突きつけられるのだ。

これから先は映画を見ていただきたいと思うのだが、
南さんはたくさんの患者さんの最期をみとられた経験から
「自分としては結論を出せなかった」とおっしゃる。
そして成島監督は、
「とても悩みました。
 コロナ禍の中で自分の愛する人の最期に立ち会えなかった人もいる。
 現実の重みとストーリーを重ねて
 こういう結末にしました」

と語ってくださった。

吉永小百合さん122作目にして初めての医師役、
すべてを受け止めるやさしい院長役、西田敏行さん、
強く明るい看護師、広瀬すずさん、
研修医見習い、松坂桃李さん、
南医師も太鼓判という迫真の演技だった田中泯さん、などが出演。
映画として楽しめる要素もちりばめられ、
現在絶賛公開中だ。

「泣かないぞ~」と思っていても、無理ですから~~~~。

5月30日放送KBCラジオ「サトコノヘヤ」は、6月6日までradiko.jpでお聞きになれます。



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