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KBCアナウンサーブログ富田 薫

アカデミー賞ノミネートは確実!脚本はオスカー獲るかも!! 『アス』

2019年09月04日

富田 薫

主人公の「私たち」ウィルソン一家は4人とも一人二役で…。

https://usmovie.jp  (c) Universal Pictures

 映画好きの方に「アッと驚くどんでん返しの作品ベスト10は?」と聞けば、すぐに何本かのタイトルが浮かぶだろう。「カイザー・ソゼ」の正体を絶対にバラしてはならない『ユージュアル・サスペクツ』もその1本だが、これはそれらの上位に入る作品だ。

 2017年の『ゲット・アウト』でアカデミー賞脚本賞を受賞したジョーダン・ピール監督の新作だが、似ているプロットがアメリカのテレビドラマ『新トワイライト・ゾーン(1985)』の中にある。シーズン1の第1話『Shatterday(動揺日)』で、主人公のブルース・ウィリスの一人二役による「ある日突然、自分とそっくりな人間が現れて…」というお話。

 一方、こちらはそのタイトルどおり、ウィルソン一家の前に「アス」=「私たち」とそっくりな4人家族が突然現れる。その登場の仕方から「本人とは微妙に違う風貌」まで、半端ない不気味さの連続なのである。

 物語は、妻であり母親のルピタ・ニョンゴの少女時代の体験談から始まる。舞台は1986年のカリフォルニア州サンタクルーズ。ビーチリゾートにある遊園地の「ビックリ・ハウス」での奇妙な体験は、彼女を「失語症」にさせるほどの衝撃だった。

 時は流れ、結婚して2人の子供に恵まれ、当時住んでいたサンタクルーズの家を訪れるが、予想通り胸騒ぎを覚える。早く帰りたいと夫に訴えるが時すでに遅し。自分たちと「ほぼそっくりな」4人が暗闇の中から登場。坂道を転げ落ちるかのごとく悪いことが続き、命の危険にさらされる。

 クライマックスの「ホンモノ対ニセモノ」すなわち「勧善懲悪」の対決は、ルピタ・ニョンゴの一人二役の熱演によって「もしかしたら善の側が負けるかも…」と思わせるほどの緊迫感に包まれる。しかし、決着がつくと同時に驚くべきどんでん返しが用意され、完全に騙されていたことに気付く。冒頭のっけから重要なヒントが明示されていたにもかかわらず…。

 これは単なるホラー映画でない。「私たち」の身の回りにある「貧富の差」「排他主義」「自分たちさえよければ…」といったことへの問題提起にもなっているからだ。

 ウィルソン一家の子役2人の年齢からして、あの演技が自らの発想だとは思えない。監督からの細かい指示があってのものだとすれば「ジョーダン・ピール」という名前を心に深く刻ませる秀逸な演出で、来年(2月9日)のアカデミー賞の発表が、今から楽しみになるのだった。

主人公のルピタ・ニョンゴ(『それでも夜は明ける』でアカデミー助演女優賞)をはじめ、難しい設定の役柄にもかかわらず説得力がある。だから騙されたのですが…。
「ホンモノ対ニセモノ」の対決は、いったいどんな結末を迎えるのか!?