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KBCアナウンサーブログ富田 薫

タイトルは、ラテン語で「星の彼方へ」を意味します。 『アド・アストラ』

2019年09月20日

富田 薫

詳しい映画情報は→http://www.foxmovies-jp.com/adastra/index.html

(c) 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

 主な舞台は、近未来の「地球」「月」「火星」「海王星」だ。

 冒頭、太陽系の生命体を滅ぼすほどの“サージ電流”の前触れが地球を襲う。それは海王星付近で行われていた“あるミッション”に関係しているらしい。
 
 ブラッド・ピット演じるロイは、地球外知的生命体の探求に人生を捧げた英雄の父(トミー・リー・ジョーンズ)を見て育ち、自身も宇宙飛行士の仕事を選ぶ。その父は宇宙探査に出発してから16年後、43億キロ離れた太陽系の彼方で 行方不明になった。だが、父は生きていた…というのが公開されているストーリー。

 自分は「地球外生命体によって捕らわれの身になっていた父親をブラッド・ピットがスーパーマンばりの活躍で助け出し、親子ともども英雄として地球に帰還…」というプロットを想像したが、内容はまったく違う展開。現代社会への問題提起や人生について考えさせられる内容になっているのだ。

 本国・アメリカでの評価がすこぶる高いのは、みんな「エイリアンが登場してドンパチが起こり、最後は人類が勝利してメデタシメデタシ」というパターンに辟易していたからではないか?

勝因は『インターステラー』の撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマによる宇宙空間の描写と、それに負けずとも劣らないブラピの演技だ!

 地球から月への宇宙船は実在の航空会社によって運行されており、ご丁寧に印象的なロゴも登場する。SFなので架空の名称でも問題ないはずだが、これを『2001年宇宙の旅(1968年)』における「PAN AMRICAN」のオマージュととれば、おのずと監督のジェームズ・グレイがやりたかったことが見えてくる。

 月面や火星への道中で生死にかかわる場面に遭遇するが、それは本筋に関わるものではない。特筆すべきはリヴ・タイラーの立ち位置で、どうしても『アルマゲドン』を想像させるが「この脚本なのによく出演したな~」という起用法。

 しかし、これまでの宇宙空間を舞台にしたどの作品にもないオリジナリティにあふれている。

 安易なブルーマット(合成映像)ではなく、北アメリカ四大砂漠のひとつ、モハーヴェ砂漠での撮影による迫力もあるにはあるが、無重力の宇宙空間をも制御するブラッド・ピットの涙によって、感動がじわじわと湧き上がってくる秀作だった。

 ※2019年9月20日(金)から全国ロードショー