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KBCアナウンサーブログ富田 薫

もしかしたら「断食ダイエット」やりましたか? 『ジョーカー』

2019年09月30日

富田 薫

この映画の詳しい情報はこちらまで→http://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/

 撮影にあたって23キロもの減量を果たしたホアキン・フェニックスの食事は、1日1回“レタスに蒸したインゲン”や“蒸したアスパラガスにリンゴ”のみという過酷なものだったという。

 子供のころにTVドラマ版の『バットマン』を見ていた自分にとってはまさに「衝撃作」。当時は、ダサいタイツに身を包んだバットマン役のアダム・ウェストに殴られ、すごすごと逃げていくのが悪役・ジョーカーだったからだ。

 劇場を出た時の感覚は『イージー・ライダー(1970)』や『タクシードライバー(1976)』のそれに近い。舞台であるゴッサム・シティのすさんだムード(劇中の設定は80年代初頭)が、それらに似ているからではない。見終わって「この時代を何とかしなければならないのでは?」と思わせる点が共通しているのだ。

 内容は「なにゆえジョーカーは悪人となったか?」だが、監督のトッド・フィリップスは、その体裁をとりながらアメリカ社会の病巣にメスを入れている。

1989年公開の映画『バットマン(ティム・バートン監督)』でのジャック・ニコルソンとは表情の設定が大きく違い…

 ゴッサム・シティの大道芸人として生きるアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)の夢は、本格的なコメディアンとして認められることだが、意に反して迫害を受け、坂を転がり落ちる如く人生を踏み外していく。その「悪」への様変わりは鬼気迫るものがあり、とても「日本語吹替版」ができる代物ではない。アドリブもあったというから、演技力だけではなく彼の「狂気にまつわる想像力」にも頭が下がる。

 彼を翻弄するテレビ番組の司会者はロバート・デ・ニーロで、これも『タクシードライバー』での「バックミラーを覗く演技」を思い出させるが、今回はアッと驚くキャラクターだ。そして、ジョーカーを描く上で欠かせないバットマン/ブルース・ウェインとの接点も描かれるが、その設定は最初冗談かと思ったほどで、いずれも強烈に振り切ったものを作ろうという決意の表れだろう。

 なお、日本では15歳未満の鑑賞を禁止した「R15+作品」に指定されたが、劇中のバイオレンスは「社会の病巣にメスを入れる」ためのものであり、ただ単なるセンセーショナルな暴力表現ではない。

 「ヴェネツィア国際映画祭」でDCコミックスの映画化作品としては史上初めて、最高賞の金獅子賞を受賞したのに続き「永遠の脇役」を演じたホアキン・フェニックスが「アカデミー賞最有力」と高い評価を受ければ受けるほど「現代社会の病巣」がクローズアップされる皮肉な作品だ。

 ※2019年10月4日(金)日米同時公開

セリフなしで「希望を失った男」を表現する高度な演技。
名優・ロバート・デ・ニーロが「変わった芸風」の司会者として登場。
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