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KBCアナウンサーブログ富田 薫

ワインの香り漂う「日本的ホームドラマ」 『真実』

2019年10月17日

富田 薫

(c) 2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA ※この映画の詳しい情報はこちらまで→https://gaga.ne.jp/shinjitsu/

 冒頭のカトリーヌ・ドヌーヴの演技で一気に引き込まれた。国民的大女優が、自伝を出版するにあたって雑誌記者の取材に応じるシーンだが、その人物像は“上沼恵美子”氏そのもので、たった3分間でキャラクターの説明が完了する。

 是枝裕和監督が「ホンモノの世界的な大女優に対して、いったいどんな指示を出したのか?」ということが最後まで頭から離れなかった。

 タイトルは彼女が書いた(とされる)自伝のタイトルに由来する。ただ、娘からは「ここに書いてあることなんて一度もなかったじゃない!」と罵倒され、パートナーの扱いも事実とは全く違っていて…というお話。

 自らを美化するような自伝をめぐり、母娘だけではなく、彼女たちを取り巻く人々との人間関係が意外な展開を見せる。

カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュというフランスの二大女優の共演はなかなか見られません。

 共演は『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー助演女優賞受賞のジュリエット・ビノシュに『6才のボクが、大人になるまで。』でアカデミー助演男優賞ノミネートのイーサン・ホークだ。

 しかし、あたかも「吉本新喜劇」のようなシーンも登場し、スクリーンではフランス語が飛び交うのに「ヨーロッパの香りがする日本のホームドラマ」に仕上がっている。

 その演出に一役買っているのが家族で囲む食卓のシーンだ。懐かしいムードを醸し出していると思ったが、『かもめ食堂(2006年)』や『そして父になる(2013年)』のフードスタイリングを手掛けた飯島奈美氏の仕事と聞いて納得した。そういった細かいところにも“是枝イズム”が浸透しているのだ。

 大女優が主人公なので、劇中に新作映画の撮影シーンが織り込まれるが、彼女と共演する若手女優を演じた26歳のマノン・クラヴェルという人材が収穫で、この舞台設定によって作品の厚みが増している。

 見終わって、フランスの二大女優を起用してホームドラマを撮る大胆な企画だったことが確信に変わり、『万引き家族』の大成功だけで満足しない、是枝監督のチャレンジ精神に脱帽するのだった。

 ※10月11日(金)中洲大洋、T・ジョイ博多 ほか全国ロードショー

今回もテーマは「家族」であって…。
カトリーヌ・ドヌーヴでなければ、このヒョウ柄は着こなせません! Photo L. Champoussin (c) 3B-分福-Mi Movies-France 3 Cinéma