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KBCアナウンサーブログ富田 薫

キューブリックも草葉の陰で喜んでいるはず…。 映画『ドクター・スリープ』

2019年11月21日

富田 薫

※この映画の詳しい情報はこちらまで→http://wwws.warnerbros.co.jp/doctor-sleep/index.html

 まさか見られるとは思っていなかった『シャイニング』の続編だ。しかも冒頭は「あのカーペットの模様」で始まる。ただ、映画化には数々のハードルがあったはずで、最初にその高さを確認しておこう。

 まず、原作が「世界的人気作家」のスティーヴン・キングで、彼の「最高傑作」とされる。それを1980年に映像化したのが、これまた「世界的巨匠」のスタンリー・キューブリックで、ジャック・ニコルソンが「オノで叩き割ったドアから中を覗くシーン」はいまだに語り草。

 「数学的計算による世界最高のホラー映画」と評価される一方で、原作との違いに腹を立てたキング本人が制作総指揮を務めたTVドラマ版(総尺4時間半!)が1997年にアメリカ・ABCテレビで放送されている…。めまいがしそうだが、さらには「興行成績」のことも考えなくてはならない。

 しかし、その続編を監督したマイク・フラナガンは、すべてをクリアしてガッツポーズでゴールイン。脚本も書いた彼が『シャイニング』の「世界的フリーク」であることが証明されるのだった。

ダニー(左:ユアン・マクレガー)とアブラ(カイリー・カラン)は、特別な「シャイニング」を持つゆえ危機に直面し…。

 『シャイニング』の続編と書いたが、正確には、2013年にキングが発表した『ドクター・スリープ』の映像化だ。

 あらすじは…特別な能力「シャイニング」を持ち、40年前の“オーバールック・ホテル”での惨劇で生き残ったダニー・トランスは、父親と同じ「深刻な悩み」を抱える中年になっていた。演じるユアン・マクレガーは「スター・ウォーズ新シリーズのオビ=ワン・ケノービ役」と紹介されるが、彼ほどの実力がなければできない難しいキャラだ。

 そこに、やはり「シャイニング」を持つ少女・アブラ(カイリー・カラン)が登場。「ミッション:インポッシブル」でもおなじみのレベッカ・ファーガソン扮するローズ・ザ・ハットをリーダーとする「あるグループ」と対峙する…。

前作『シャイニング』でおなじみの場面やキーワードも登場。

 典型的な「勧善懲悪」の物語だが、重要なのは「シャイニング」を持つ主人公に感情移入できるかどうかだ。

 その能力が公になったとき、自らに降りかかってくる悲劇は想像を絶するので、ダニーは当初「自分の中にしまって、沈黙を守るべきだ」とアドバイスするが、その選択は「悪が永遠にはびこること」を意味する。

 そこで、意を決して敵と向かい合うことになり、ついには前作の重要な舞台“オーバールック・ホテル”でクライマックスを迎える。この展開はホラーともダーク・ファンタジーともとれるが、スティーヴン・キングからの「最近、都合の悪いことに目をつぶっていないかい?」という強いメッセージも感じるのだ。

 ファンにとって嬉しいのは「バスルームの謎」「双子の女の子」「乗れないエレベーター」などが惜しげもなく登場すること。意外にも、前作からは想像がつかないほど爽快なハッピーエンドによって、最後の最後に打ちのめされるのだった。

 ※2019年11月29日(金)から全国ロードショー この作品は「PG12」指定です。

 ★スティーヴン・キング原作の書籍も同じ『ドクター・スリープ(訳:白石朗)』のタイトルで文藝春秋社から発売中。
 ★1997年に制作されたTVドラマ版は『スティーブン・キング シャイニング 特別版(2枚組)』のタイトルで、ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントからDVDを手に入れることが可能。

ダニーのコスチュームは『ドクター・スリープ』のタイトルと関係があって…。(c) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved