MAP 閉じる

検 索 閉じる

番組検索

番組キーワードから探す

番組名から探す

KBCマップ

エリア

宅配・テイクアウト・お取り寄せリスト

ANNOUNCER

KBCアナウンサーブログ富田 薫

50年以上前の「ル・マン」でこんなことがあった…という驚きを劇場で!   映画『フォードvsフェラーリ』

2020年01月07日

富田 薫

(c) 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

 オープニングからそのサウンドに驚かされた。1960年代の「ル・マン」が舞台だから、当然のように車が登場し、今まで聞いたことのないエンジン音が試写会場に響きわたる。それは、ドルビー・サラウンドのスピーカーを揺るがすほどの迫力で、音響システムが整備された映画館でなければ体験できないものだった。

 タイトルどおり、世界三大レースの中で語り草となっている1966(昭和41)年の「ル・マン24時間耐久レース」前後に起こった実話がベース。

 マット・デイモンが演じる元レーシングドライバーのキャロル・シェルビーは、ある理由でレースから引退し、レーシングカーのデザイナーに転身して数々の名車を世に送り出した人物。その彼に、巨大自動車産業・フォードから難題が突きつけられる。「金は出すが、フランスのル・マンで6連覇中のフェラーリに勝つことが絶対条件だ」…と。しかも与えられた時間は90日間。

 当時、フォードは「GT40」でル・マンに参戦していたが、64、65年と連続して全車リタイヤという屈辱的な結果に終わっていたのだ。そこにイギリス人の敏腕ドライバー、ケン・マイルズとして登場するのがクリスチャン・ベール。ドライビング・テクニックは最高だが、歯に衣着せぬ発言で組織内では浮いてしまう彼と、上層部と現場との間を取り持つクレバーなシェルビーとの人間関係が興味深かった。

映画のタイトル同様、演技対決も『クリスチャン・ベールvsマット・デイモン』で…。

 同時に、規模は大きいが粗削りで粗野なアメリカ企業フォードと、コストを度外視して富裕層を相手に高性能スポーツカーを生み出すイタリア・フェラーリの対比が進行する。そこで描かれるシーンは「まあ、50年以上前ならそんなこともあったろうな~」という驚きの連続だった。

 直線では最高速度300km/hを超える走行シーンは、実写・VFX・デジタル合成など映画技術を駆使して表現されるが、スタート&フィニッシュラインになる巨大な観覧席や、VIP用のボックスからフォードとフェラーリのピットに至るまで、カリフォルニアの空港に建設された巨大セットなのには恐れ入った。

 プロダクション・デザイナーのフランソワ・オデュイは「看板など細々したものを何ひとつ変えず、同じ大きさや同じ色で再現するため、我々は歴史に忠実に従わなければならなかった」と語る。なるほど、その言葉は劇中に見られる「私たちの世代には懐かしい看板」に反映されていた。

 では、最近の「ル・マン」の状況はどうか?2018年にはTOYOTA Gazoo Racingの中嶋一貴ドライバー(中嶋悟さんのご子息)がオールジャパンチーム(日本チーム・日本車)で総合優勝を飾り、2019年もTOYOTAが連勝した。50年の時が流れて日本企業が世界の自動車産業をリードしていることがわかり、新しい年にふさわしいプレゼントに思えたのだった。

 ※2020年1月10日(金)から全国ロードショー

レース展開を見つめるフォード陣営の表情。後方のスタンドも全部セットでっせ!
クリスチャン・ベールが、運転席に乗り込むと車と一体化してしまうドライバーを熱演。アカデミー主演男優賞もありか?
この映画の詳しい情報はこちらまで→http://www.foxmovies-jp.com/fordvsferrari/