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KBCアナウンサーブログ富田 薫

思わず「外連味(けれんみ)」という言葉を調べちゃいました!  映画『スキャンダル』

2020年02月19日

富田 薫

この3人がエレベーターに乗るシーンは、ホラー並みの怖さが!

(c) Lions Gate Entertainment Inc.

 文句なしに面白い!しかし、世界規模でクローズアップされた「#MeToo(ミートゥー)運動」や「セクハラ・パワハラ」がテーマだけに、はしゃぐわけにはいかないが、そう感じた理由を書いていこう。

 第一の理由は、やはり「第92回アカデミー賞メイクアップ・ヘアスタイリング賞」受賞のカズ・ヒロ(旧名・辻一弘)氏が率いるチームのテクニックだろう。実在のTVキャスターに近づけるため、3Dスキャナーとプリンターを駆使してシャーリーズ・セロン達の顔に手を加えている。

 それは単なる「特殊メイク」ではなく、見方によっては「本人以上に本人」で、歌舞伎などで使われる「外連味(けれんみ)」という言葉がピッタリ。つまり「うまい具合に誇張され、粋な演出になっている」のだ。

カズ・ヒロ氏のチームによって“創られた”シャーリーズ・セロンの顔を見るだけでも鑑賞料金の価値が…。もちろん左の人ね。

 理由の2番目は「監督」だ。ジェイ・ローチ監督のデビュー作は、マイク・マイヤーズの“怪演”で世界的に大ヒットした『オースティン・パワーズ(1997)』。続編の『オースティン・パワーズ:デラックス(99)』と三作目の『オースティン・パワーズ:ゴールドメンバー(02)』も彼が手掛けている。

 三作ともカメオ出演した有名な作曲家、バート・バカラックが「オープン・トップバスにピアノを載せ、ラスベガスの街を走りながらヒット曲を歌う」なんてハチャメチャなシーンが出てくる。その“奇抜な作風”が存分に反映されているのだ。

ベテランニュースキャスター役のニコール・キッドマンは、スクリーン上でそうとしか見えない“化けっぷり”。

 そして3番目は「程よい話の盛り具合」だ。冒頭で「本作は実話にもとづくが、登場人物やセリフの一部に創作が含まれる」という“エクスキューズ”が表示される。

 その最たるものが、マーゴット・ロビー演じる人物で、実在した2人の女性のエピソードをもとに作られた“セクハラ被害者”のキャラクターだ。

 なんたってアカデミー賞では『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で「主演女優賞」に、さらに本作でも「助演女優賞」にノミネートされた旬の女優にもかかわらず、よく出演をOKしたな~というきわどい脚本(『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のチャールズ・ランドルフ)なのである。

FOXニュースCEOは名優ジョン・リスゴーで、そのブルドックぶりも実像に近いものがあり…。

 ストーリーは、アメリカのTV局「FOXニュース」のベテランキャスターだったグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、当時のCEOロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)をセクハラで訴えた2016年の実話。

 やはりFOXの人気キャスターだったメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)が「同僚としてどうアシストするのか?」といったことを軸に、セクハラ被害を訴えにくい職場環境やメイン・キャスターの座を狙うケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)の行く末が描かれる。

マーゴット・ロビー(左)は本作のために創作されたキャラ。ただ『ゴーストバスターズ(2016)』に出ていたケイト・マッキノンとは、いかにもアメリカというコンビで…。

 最後の最後に「FOXニュース」の経営者で世界的メディア王のルパート・マードックが登場し、アメリカ大統領選挙でのトランプ候補(当時)に対する報道姿勢が描かれる。それも「実話」とすれば面白いが、一方で「アンチ・トランプ」のバイアスがかかっているような気もしてきて、そこにも「外連味」を感じるのだった。

 ※2020年2月21日(金)、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13、T・ジョイ博多、ほかで全国ロードショー 
 ※配給:ギャガ この映画の詳しい情報はこちらまで→https://gaga.ne.jp/scandal/