MAP 閉じる

検 索 閉じる

番組検索

番組キーワードから探す

番組名から探す

KBCマップ

エリア

宅配・テイクアウト・お取り寄せリスト

ANNOUNCER

KBCアナウンサーブログ富田 薫

この世界にも“ゾンビ”はいます! 映画『デッド・ドント・ダイ』

2020年06月05日

富田 薫

© 2019 Image Eleven Productions Inc. All Rights Reserved.

 「よくあるゾンビ映画だな~」と油断して見ていたら、途中で絶句するシーンに出くわした。それは、1時間半ほど経過したところで訪れる。“おとぼけポリス”に見える2人のやりとりの中で、突然、タブーとも言えるセリフが飛び出すのだ。

 そこまでは、ゾンビ映画によくあるパターンだが、その瞬間から「彼らの運命はどうなる?」「ゾンビはなぜ現れたの?」「葬儀屋を営む謎の女の正体は?」そして「いったいどんな“オトシマエ”をつけるのか?」といった疑問が怒涛の如く押し寄せる。

 なので、ゾンビよりジム・ジャームッシュ監督(脚本も)は、いったい何をやりたいのか…という恐怖が最後まで続くのだ。

さあ、このゾンビ役はだれでしょう?

 舞台は、ポリスが3人しかいないアメリカの小さな町。地元民向けのダイナーで残忍な殺人事件が起きる。『ゴーストバスターズ』でおなじみのビル・マーレイが演じる警察署長と『スター・ウォーズ』シリーズ続三部作の(カイロ・レン役)アダム・ドライバーの巡査という主人公の2人は「野生動物に襲われたのでは…」と推察する。

 その“犯人捜し”の一方で、なぜか怪しすぎる人物が続々と登場。まずは『アルマゲドン』をはじめ、どの作品でも強烈なインパクトを残すスティーヴ・ブシェミ。

 本当はイケメンのケイレブ・ランドリー・ジョーンズが“アル・ヤンコビック風オタク”に扮し、ロックの殿堂入りも果たしたシンガー・ソングライターのトム・ウェイツは森で暮らす世捨て人。

 人気ミュージシャンのセレーナ・ゴメスや『リーサル・ウェポン』のダニー・グローヴァーに「グラミー賞特別功労賞&生涯業績賞」受賞の重鎮イギー・ポップまで「なんでこんな役をやらされているの?」というハチャメチャぶり。

 しかもゾンビは“生前こだわりがあったものの固有名詞”をつぶやきながら迫ってくる。ジム・ジャームッシュでなければゴーサインが出ないほどの“おフザケ作品”に見えるが、実は“中身はA級作品”なのだ。

いや~スティーヴ・ブシェミが今回も強烈なキャラを演じてます。

 やはりグラミー賞受賞のカントリー・シンガー、スタージル・シンプソンによるタイトル曲『デッド・ドント・ダイ』が、全編を通じてクドイほど登場する。歌詞は「あいつは死んじまったけど、オレの中ではいつまでも生きているのさ…」なんて典型的なカントリーだが、直訳の「死んでいるけど死んでない」は、現代に生きる私たちへの皮肉であり、強烈な文明批判なのだ。

 途中では「クダラね~」とか「そんなことあるはずないだろっ!」なんてスクリーンにツッコミを入れて見ていたが、最後の最後に「ド~ン!!」と頭を叩かれたようになる。「そこのおまえ!外見は死んでないけど、人生のすべてがバーチャル世界の中だから、生身の人間としては死んでいるぜ!」なんて監督の声が聞こえてくるようだった…。

 ※ユナイテッド・シネマ・キャナルシティ13、T・ジョイ博多ほかで6月5日(金)から全国ロードショー公開
 ※この作品は「R15+」指定です。さらに詳しい情報はこちらまで→https://longride.jp/the-dead-dont-die/

人気もあって有名なミュージシャンのセレーナ・ゴメスが「エッ!そんな役柄だったの!?」という展開。
妖しくて怪しいティルダ・スウィントン。彼女が“キー・ウーマン”かも…。                       Abbot Genser / Focus Features © 2019 Image Eleven Productions Inc.