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KBCアナウンサーブログ富田 薫

劇団四季ミュージカル『マンマ・ミーア!』

2020年10月09日

富田 薫

※この作品のさらに詳しい情報はこちらまで→https://www.shiki.jp/applause/mammamia/

キャナルシティ劇場での公演より。

 福岡市のキャナルシティ劇場で劇団四季のミュージカル『マンマ・ミーア!』が開幕した。今回は、来年(2021年)の1月3日までの「期間限定公演」だ。前回の福岡公演は2007年だったので「13年ぶりの凱旋」という表現になるだろう。

 日本国内の総公演回数は3000回を超え、総動員数も約269万人。世界規模で見ると、公演都市数400で累計観客数6500万人!という驚異的なミュージカルで、2008年には主演の母子役をメリル・ストリープとアマンダ・セイフライドが演じた映画版が公開され、続編も作られるほど有名なうえに、劇団四季の舞台を見るのも今回が初めてではないのに、常に感動を呼ぶのはなぜか?

 それは、ABBAの「ダンシング・クイーン(1976年)」をはじめとする大ヒット曲の数々が、ストーリーを意識して作られたわけではないのに、あたかもこのミュージカルのためにあるかのような色彩を放ち、登場人物の心情を的確に表しているからだろう。しかも、劇場に足を運ぶ人々の人生にも多かれ少なかれ関わっている点が他に類を見ない。

 念のため、ストーリーを簡単にご紹介すると…「エーゲ海に浮かぶ小島で小さなホテルを営むドナは、シングルマザーとして娘を育ててきた。20歳になった娘のソフィは、恋人との結婚式で父親とバージンロードを歩くことを夢見るが、そこにひとつの問題が起こる。こっそり持ち出して読んだ日記によれば、ソフィの父親は当時ドナが付き合っていたサム、ビル、ハリーというかつての恋人たちのいずれかであって、母親でさえ確信が持てないというのだ。本当の父親が誰なのかを知りたいソフィは母親の名前で3人全員に招待状を出すが、それがきっかけで騒動は大きくなってしまい…」という展開。

劇場で購入できる「公演パンフレット」は情報満載。

 そんなステージだけではなく、劇場で購入できるパンフレットに掲載されたプロデューサーのジュディ・クレーマーの文章も秀逸だ。

 彼女は今から35年前、やはりミュージカル作品『CHESS(チェス)』の制作現場で、ABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースと共同作業をしている。しかし、意外なことにABBAのヒット曲を使ったオリジナル・ミュージカルを創ることを思いついたのは「ダンシング・クイーン」がきっかけではなく、別の曲「The Winner Takes It All(邦題:勝者が全てを)」だったという。

 彼女は「この曲の歌詞は愛と喪失の両方をまるでジェットコースターのように伝えており、極めて舞台向きであると思ったのです。しかし、これにどうやって命を吹き込むかが課題でした」と語り、そのあとのロンドン初演(1999年)までの苦労話の数々を披露するが、そういった「裏話」にさえ感動を覚える作品にはめったに出会うことがない。

映画版でもおなじみの名シーンの連続で…。 撮影:重松美佐

 会場のキャナルシティ劇場は、新型コロナウィルス感染症対策で観客が定員の半分程度に制限されていて、それが見えてしまう俳優陣の気持ちを考えるとハラハラ・ドキドキだったが、ペンライトを振りかざして踊るファンとステージとが一体となったカーテンコールの熱気は超満員のそれに匹敵し、劇団四季をはじめとする「ミュージカル文化」は永遠だと確信した瞬間だった。

カーテンコールではペンライトが大活躍!