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KBCアナウンサーブログ富田 薫

よくぞ作ってくださった!! 実写版『トムとジェリー』

2021年03月10日

富田 薫

この映画のさらに詳しい情報はこちらまで→https://wwws.warnerbros.co.jp/tomandjerry-movie.jp/index.html

©2020 Warner Bros. All Rights Reserved.

 夢のような実写映画の登場だ。オープニングからいきなりN.Yのセントラルパーク(に見える場所)で、2次元アニメのトムとジェリーの追っかけっこが始まるが、そのシーンだけで十分満足できる。

 なぜなら、自分は東京出身なので、1964年(昭和39)年から1966年(昭和41)年まで日本で最初に放送された「トムジェリ」をTBSテレビで見ていたからだ。

 当時のナレーターはコメディアンの「タニカン」こと谷幹一(たに・かんいち)さん。例の「こんちこれまたトムとジェリーは、今日も今日とて~」という名調子が頭の中を駆け巡り、一瞬にしてアホな小学生時代にタイムスリップできたワケだ。

「仲良くケンカ」するトムジェリのビジュアルは、予想以上の鮮やかさで…。

 …とは言うものの、いくら人気者とは言え、あの二匹のドタバタ劇を2時間にわたって展開するのはちょっとキツイ。そこで実写版のスタッフが考え出したのは、テレビのままのトムジェリのギャグを1階部分に置いて3階建ての構造にするアイデアだ。

 2階にあがると、クロエ・グレース・モレッツが演じるヒロインのケイラが登場。N.Yの名門「ロイヤル・ゲート・ホテル(もちろん架空)」のスタッフだが、採用時に提出した履歴書は嘘八百。しかし、なぜか憎めないキャラを好演する。

 3階では、セレブカップルがそのホテルでハイソな結婚式を挙げるための準備をしているが、新郎・ベンのトンチンカンな振る舞いが笑いを誘う。それらが、ある時は単独の物語として進行し、ある時は交じり合って高度なギャグを炸裂させるのだ。

俳優陣は「やっぱり足元にはトムもジェリーもいたのよね~」と納得する自然な演技。

 そこは、オールドファンにとって「涙がちょちょぎれる」アニメ版アクションのオンパレード。ジェリーがトムの右耳から入って左耳から出てくる定番はもちろん、雷に打たれればガイコツのシルエットになり、テレビ版ではアナログの設計図だった「ジェリーを生け捕りにする複雑なトラップ」がデジタル仕様で登場する。

 さらに舌を巻くのが撮影方法だ。ご承知のように俳優陣の実写とアニメーションが合成されているが、通常、こういった場合はテニスボールなどを相手に演じることが多い。しかし今回は、撮影用のダミーとして“立体版”のトムが用意され、さらに等身大のジェリーも俳優の足元にいたという。もちろんデジタルで後から消してはいるが…。

 ドタバタ劇の舞台となる「ロイヤル・ゲート・ホテル」は、ニューヨークの「プラザ」のような高級ホテルという設定で、ストーリーの大半はここで展開する。いったいどのホテルでロケをしたのかと思っていたが、正解はなんとセットだった!

 エントランス部分は、スタジオに残っていた『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』のオープンセットを改装したもので、美術チームが1920年代のパリの街並みを、現在のニューヨーク市内に変身させている。その前提で映画館のスクリーンをご覧になれば驚くはずだ。
 

クロエ・グレース・モレッツは24歳になったばかりだけど、コメディ演技が早くも“貫禄”の域で…。

 “人間のキャラ”としてクロエ・グレース・モレッツを起用したのは正解で、彼女の「キャリアへの願望」と「自らの才能」とのギャップに悩む姿は、同じように仕事に取り組む世代から共感を得られるはずだ。

 今後は、彼女を「キャビンアテンダント」「ニュースキャスター」「ファッションモデル」「スタイリスト」「ドクター」などに転職させていけば、この実写版は未来永劫制作することが可能になった。

 なぜなら、80年あまりにわたり、あらゆる世代の人々を楽しませ、アカデミー賞まで受賞した「トムジェリ」は、子供から大人まで楽しめるギャグの宝庫なのだから…。

 ※3月19日(金)からT・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13ほかで全国ロードショー公開