“Arita”は再び世界へ!~有田焼創業400年 奇跡のコラボ~

17世紀、佐賀の有田焼はオランダ東インド会社を通じて海を渡り、ヨーロッパを中心に世界を魅了しました。富と権力の象徴として、王侯貴族らが競って買い集めたのです。しかし、華やかな歴史は続かず、有田焼は100年ほどで世界の舞台から姿を消しました。そしてバブル崩壊後、有田焼は国内でも徐々に衰退していきます。

去年、創業400年を迎えた有田焼は今、大きく変わろうとしています。伝統を引き継ぎながら、これまでとは違う新しい有田焼を生み出すもの。アートで世界へ挑戦しようとするもの・・。今、再び世界から熱いまなざしが注がれているのです。

番組では、新進気鋭の画家・小松美羽さんが、「有田焼400年」の歴史に触れる旅に出ます。そして、有田焼の歴史を引き継いだ酒井田柿右衛門さんとともに次の100年につながる、新たな“Arita”の創造を目指します。


  • 十五代酒井田柿右衛門

  • 画家・小松美羽

見どころ

旅人・小松美羽と十五代酒井田柿右衛門

370年以上の歴史を誇り、乳白色の下地の「濁手」に赤絵、そして余白の美を重んじる柿右衛門窯。今もその技術を引き継ぐ十五代酒井田柿右衛門さんを画家の小松美羽さんが訪ねます。小松さんはその伝統に圧倒されながらも柿右衛門さんにあるお願いをすることに・・。
「柿右衛門窯の作品に絵付けをしたい」
伝統と革新、前代未聞の異色のコラボレーション!果たしてどんな作品が―。

小松美羽(左)、十五代酒井田柿右衛門(右)

有田焼の「これまで」と「これから」

1616年、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に連れ帰った陶工が磁器を焼いたのが起源とされる有田焼。17世紀には柿右衛門様式がヨーロッパの貴族でもてはやされ、一大ムーブメントを起こしました。しかし、いつしか世界の舞台から姿を消した有田焼は、近年の安価な陶磁器の台頭などで生産量が激減することに・・。創業400年を節目に大きく変わろうとしている有田焼。これまでにない斬新なデザインで、もう一度世界市場へ打って出ようとしています。有田焼のこれまでの歩みと未来を見つめます。

伝統を守り続ける巨匠たち

佐賀・鍋島藩の御用赤絵師を代々務めた今泉家の伝統を引き継ぐ人間国宝・十四代今泉今右衛門さん。華やかな絵付けではなく「白磁」にこだわり続ける人間国宝・井上萬二さん。この2人の人間国宝が語る「有田の未来」。そして、柿右衛門さんと小松さんの対談も―。2人の知られざる素顔に迫ります。

十四代今泉今右衛門(左)、井上萬二(右)