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アサコレ!コラム

KBCの「博多祇園山笠」テレビ中継は60回目! ~END OF THE ROAD(エンド・オブ・ザ・ロード)~

2019年07月15日

[アサコレ!コラム]

 KBCがお届けしてきた「博多祇園山笠」のテレビ放送が60回目となった今年、これを記念したラジオとテレビでのサイマル放送、いかがだったでしょうか。

 この「祇園祭」は、京都・八坂神社のご祭神であるスサノオノミコトを祭る神社の例祭として各地で行われています。

 今週末は「小倉祇園太鼓」ですが、こちらの起源は、江戸時代初期に干ばつや疫病に悩まされていた当時の小倉藩藩主・細川忠興(ほそかわ・ただおき)公が小倉の八坂神社に平穏祈願をしたところ、これが叶えられたことからはじまりました。

 時代は下り、江戸時代後期には戸畑でも疫病が蔓延し、やはり平癒祈願をしたところ無事治ったため、スサノオにお礼をこめて山笠を奉納したものが「戸畑祇園大山笠」の始まり。

 福岡県内各地の市町村でこの季節に行われる祇園祭は、この博多・小倉・戸畑の三つのものが微妙に混じり合った山笠が登場するのが特徴です。

 特に北部九州を横断する長崎街道は、江戸時代には大名行列などが移動した主要道路だったため、祇園祭の効果が大いに伝えられていったのでしょう。黒崎、木屋瀬、直方といった町にも祇園祭が伝わり、独自の変化をして今に至っています。

 今年で778年の歴史を持つ博多祇園山笠も仁治(にんじ)2年といいますから1241年、聖一国師が疫病退散のため施餓鬼棚に乗って祈祷水(甘露水)をまいたのが始まりとされています。

 いつの世も願うことは平穏無事だったわけで、いずれの祇園祭もその道の先にあって目指す想いは同じ「無病息災」だと思えてくるのです。

 M「END OF THE ROAD」鈴木雅之

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