日本歌謡を変えた旋律
2020年09月19日
[福岡県]
古賀政男(3)
古賀政男のふるさと、福岡県大川市にある記念館。
館内には哀愁漂う「古賀メロディ」が流れています。
作曲家・古賀政男を世に出した名曲「影を慕いて」。
学生時代に作ったこの曲にはもともと歌詞がなく、レコード化が決定したあと自ら詞を付けたのでした。
モチーフになったのは、古賀自身が自殺を考えるほどの失恋をした経験からとされていますが、古賀を悩ませたのは歌詞が生きるよう編曲することでした。
正解が見えないなかで彼を救ったのは、ある世界的なギタリストの演奏でした。
生で聴いたギターの旋律に感動した古賀は、その興奮が治まらぬうちに曲を完成させたのでした。そしてこの曲が、日本の歌謡界を大きく変える一曲となったのです。
それまでの歌謡曲は、長唄など三味線で演奏する曲が主流でした。西洋楽器のギターで奏でる哀愁を帯びた旋律は、日本人の魂を揺さぶり、ギターが主流となるメロディが確立していったのです。
しかし古賀は、このヒットに心から満足することはありませんでした。