放送内容

自治体からの避難情報について考えるPART3 避難指示(緊急)

2019年11月20日

[番組で紹介した情報]

いのちを守る防災ラジオ、KBC防災解説委員の太田祐輔です。
百市なるみです。

毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
今日のテーマは「自治体からの避難情報について考えるPART3 避難指示(緊急)」についてです。

(太田)
3週にわたって自治体からの避難情報についてお送りしています。先々週が「避難準備・高齢者等避難開始について、先週が「避難勧告」について考えました」

(百市)
避難準備・高齢者等避難開始が、高齢者など避難に時間を要する人は避難を開始する。そして「高齢者など」の「など」の中には土砂災害警戒区域や浸水想定区域に住んでいる人も含まれるということでした。また、避難勧告が出されたらすぐに避難を開始するというのが大きなポイントでしたよね。

(太田)
そして今日が「避難指示(緊急)」ということですね
今年から導入された大雨の際の警戒レベルでは「避難準備・高齢者等避難開始がレベル3、避難勧告と避難指示(緊急)がレベル4になります。

避難勧告が出されたときと同じように住民がとるべき行動は「ただちに全員避難」ということになります。

(百市)同じレベル4でも「避難指示」は避難勧告より一つ上の段階となっています。どういう違いがあるのでしょうか?

(太田)
避難勧告は「非常に危険な状態」、避難指示は「きわめて危険な状態」と考えてください。危険な状態の程度がより重くなります。
本来であれば避難勧告の段階で避難をして、避難指示がでる段階では避難を終えておかなくてはならないというのがポイントで、避難指示(緊急)が出された段階では安全にほかの場所に避難できない可能性が高まっていると考えて下さい。
外に出て目の前の道路が川のようになっていて、そこを歩いて非難することが難しい場合は無理をせず、戸建て住宅などの場合は2階に避難し、河川や山から離れた部屋に退避するなどいわいる「垂直避難」を考える必要があります。
それが安全とは決して言えませんが、その目の前の川のようになっている道路を行くよりもそちらのほうが安全だったりする場合もありますし、それでも避難しなければならない場合もあります。選択肢がもう避難指示の段階では、かなり狭まっているということです。

(百市)
避難勧告が出された時に「まだ避難指示になってないから大丈夫。避難指示になってから逃げよう」などと考える人もいると思いますが、それは危険なのですね。

(太田)
その考え方はやめてください!!!
避難指示(緊急)の段階では、別の場所にある避難所などに移動することが難しい状況になっていると考えてください。「避難指示」が出るまで待つという考え方はあなたとあなたの大事な家族をきわめて危険な状況に陥れます。
それと避難指示が出るのを待ってはいけない、もう一つ大きな理由があります。

(百市)
それは何ですか?

(太田)
「警戒レベル4 避難指示(緊急)」、「警戒レベル5 災害発生情報」は必ず出されるわけではありません
もうこの段階で安全な避難はできない自治体が判断した場合などは出されない場合もあるのです。

(百市)
避難指示がでることをつい待ってしまいがちなのですが、そこまで待ってしまうと、より厳しい判断をせざるをえなくなるということなのですね。

(太田)
いろんな自治体でいろんな避難情報が出ているときに、「別の地域は避難指示で、自分の地域は避難勧告、じゃあ避難指示が出るまで待っておこう」というのは、本当に危険です。もう避難勧告が出たら、その段階で避難するようにして下さい。「避難する」というのは、毎回言っていますが、安全な場所にとどまるということも避難です。

●今日のポイント

今日は「自治体からの避難情報について考えるPART3 避難指示(緊急)」についてでした。
今日のポイントを太田さんお願いします。

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