放送内容

「女性の視点を活かした防災について」PART1

2019年12月11日

[番組で紹介した情報]

いのちを守る防災ラジオ、KBC防災解説委員の太田祐輔です。
百市なるみです。
毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
今日のテーマは「女性の視点を活かした防災について」PART1です。
今週から3週にわたって、福岡市が出している「女性の視点を活かした防災ミニブック」を参考にこの番組をお送りしていきます。

(百市)表紙をみると親しみやすくなっていますけど、このミニブックにはどんなことが書かれているのでしょうか?

(太田)
福岡市が発行して、WEBからも見ることができます。
今週は、このミニブックに書かれている実際に発災したときに住民が身を寄せる避難所作りのポイントについて話をします。

(百市)避難所が開設されると、性別もそうですが、いろんな年齢層の方が同じ場所で避難生活をすることになりますよね。

(太田)
そうですね。男性、女性にLGBTの方もいらっしゃいます。
赤ちゃん連れのかたもいるし、ペットとともに避難してきたという人もいます。
大事なのは女性の視点だけではだめです。いろんな立場の人の視点を活かすことが大事です。

福岡市が出している女性の視点を活かした防災ミニブックでは、いろんな立場の人たちの視点を活かした避難所つくりのポイントが書いてあります。

(百市)
どんなポイントでしょうか?

言われてみればそうだよなぁというポイントです。
例えば、女性用の洗濯物干し場は外から見えないようにすると安心
とか女性更衣室や女性用トイレにはホイッスルや防犯ブザーを設置するということも書かれています。

(百市)
確かに不安ですもんね。乳児と避難している人のために、授乳室も必要ですよね。

(太田)
そう。そのことも書かれています。
それと育児室(キッズスペース)を作ることも大事です。
避難してきた時って、みんな精神的に落ち着いてない状況ですから、最初からそうしようと決めていないと、なかなかそういう発想にならなかったりしますよね。
育児室については、「子供の遊び場」として使う以外にも、子どもが夜泣きしたときに使えるようにしておきましょうということもこのハンドブックには書かれています。
居住スペースもわけるほうがいいですよね。乳幼児がいる家庭エリア、単身女性や、女性のみの世帯エリアなどを分けることが必要です。

(百市)
ほかにはどういう注意点があるのでしょうか

(太田)
これはなかなか気づかないと思います。
避難所では支援物資の配布なども行われますよね、それについてですが、物資担当者は男女ともに配置する必要があるということです。
「これが欲しい」というのも同性ほうが当然言いやすいですよね。
また見回りは男女混合で実施するといいとも書かれています。
特に女性専門エリアは見回り回数を増やすといいということです。

(百市)
私は実際に避難所で生活をしたことがないので、急にそういう状況になると、何が不便でこまってしまうのか、イメージしきれないところがあります。このミニブックをみると女性もそうですが、それ以外のいろんな立場の視点で避難所の運営を考えることができますよね。

(太田)
このミニブックには被災者の声も書かれています。
若い人向けの下着や着替えがなかったとか、生理用品がみんなの目に入る形で置かれていた。といったことも書かれています。
男性が避難所運営で中心になることが多いイメージがあるのですが、それに女性も積極的に参加していくことで少しでも避難所生活の大変さがやわらぐといいですよね。

●今日のポイント

今日は「女性の視点を活かした防災」についてPART1でした。
今日のポイントを太田さんお願いします。

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