放送内容

災害支援団体代表がみた防災 その4 新型コロナ感染拡大禍での災害支援の課題

2020年09月23日

[番組で紹介した情報]

「KBCラジオ みんなで防災!」KBC防災解説委員の太田祐輔です。
百市なるみです。
毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

今日のテーマは「災害支援団体代表がみた防災 その4 新型コロナ感染拡大禍での災害支援の課題 」です。
YNFというNPO災害支援団体で代表を務めている福岡市出身の41歳 江﨑太郎さんに話を聞きました。

(太田)今年は新型コロナの感染拡大の中での被災地復興となっています。この新型コロナの感染懸念が災害復旧に新たなハードルになっていると思いますが、いかがですか?

(江﨑)熊本の球磨川沿いの被災地でもよく言われていますが、圧倒的な人手不足が大きな課題になっています。
そうした人手不足だければなくて、支援活動の種類も限定的になっています。
いままでの災害支援では炊き出しや交流支援なども行っていました。それが新型コロナの感染拡大という中ではコミュニケーションを必要とする活動は自粛せざるを得なくなります。支援活動の種類を絞らざると得ないという問題があります。

(太田)交流支援ってこれまでどのようなことを行っていたのですか?

(江﨑)食事会をして、一緒に避難している人同士のコミュニケーションを促したりしていました。また、今の大牟田市で考えるともう少し後の場面での取り組みなっていくと思いますが、仮設住宅ができてからはカフェ活動など、被災者の横のつながりを促進する活動も盛んに行われていました。
西日本豪雨の被災地なんかは、もう発生から2年たっているのですが、今も仮設住宅にたくさんの方が住んでらっしゃいます。今もそういった交流支援活動は必要な状況です。でも、できていない状況です。私も愛媛県での活動を今年も予定していたのですが、新型コロナのことでいけなくなっています。

(太田)コロナの中で、できる支援の形が限られている状況なのですね。そうなると、被災者の心のケアといったものにも影響がでてきますよね。

(江﨑)被災された方というのは、これまでの知人との関係でも、被災した方と、被災されていない人で意識の差がでてきたりします。
そこの溝を埋めるのがボランティアだったり、災害支援団体だったりします。そういった人たちが関われなくなることで、孤立化が進む可能性があると考えています。

(太田)テレビの報道をみても、コロナのニュースが主で被災地の情報を十分に伝えきれていないと反省することがあります。
そういったことが被災者に与える影響ってあると思いますか

(江﨑)あると思います。今回被災されたかたも過去の災害についての報道を見ていた経験があると思います。それと比べて自分たちの様子がなかなか紹介されないということを見て、自分たちが見捨てられているのはないかと感じる場合もあったりするのではと思います。

【今日のポイント】

(百市)ごみの除去や泥の搬出といった目で見える支援も大事ですが、コロナ禍でそれ以外の心のケアもより大事だったりする。でもその心のケアがコロナの影響でできないという悪循環を感じますよね。

今日のテーマは「災害支援団体代表から見た防災 その4」でした。
それでは今日のポイントを太田さんお願いします。

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