森林破壊がもたらす感染症との関連性
2021年07月12日
[ラジオ 水と緑関連記事]
水と緑week のアサデス。ラジオ(モーニング)は、6 : 40頃からのコーナー「フォーカスイン」が水と緑スペシャルに!アサデスラジオのコメンテーターが、ふるさとや環境、SDGsをキーワードに、日替わりで”ためになる話”をお届けします。
7月12日(月)の担当:河合塾世界史講師 青木裕司先生
『 森林破壊がもたらす感染症との関連性 』
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▼まずは世界の森林の現状について
地球上の総面積:5億平方キロメートル
その内の陸地面積:1億4700万平方キロメートル
その内の森林面積:4000万平方キロメートル(陸地面積の約30%)
森林面積は、この30年間で(場所によっては急速に)減少しつつあるんです。
森林は、二酸化炭素を吸収して酸素を出す役割があるので減少するのは問題ですね。
▼どのくらい森林面積は減少しているの??
世界的に見ると…1990年~2020年で4.1%減少しています。しかし、地域的にかなり偏っているんです。
▼世界で一番森林を破壊している国は??
ブラジルです!
2010年~2020年までの10年間で森林面積が1万5000平方キロメートル(岩手県くらいの広さ)減少しています。
破壊された多くの森林は、砂糖を作るためのプランテーションに替えられるんです。
ちなみに一部の原住民が焼き畑を行っていますが、焼き畑は将来自然が元に戻るので森林破壊には該当しません。
それよりも企業が入って行うプランテーションは自然が元に戻らないんです。
▼一方で・・・世界で一番森林面積が増えている国は??
中国です!
この10年間で、中国は1万9000平方キロメートルの森林面積が増えました。
・・・というのも、そもそも中国は面積が広い&森林が少なかった!
1950年の建国当初の森林面積は8.6%(砂漠や高原…面積は広くても木が生えていない)
1980年段階ではなんと森林面積5%
それが・・・現在の中国の森林面積は21.6%!世界最大の植林大国になりつつあります。
何故増えたのか、原因は2つ
・国内の住宅建設事業が進んだ為
・世界的に不足している木材を輸出してビジネスを行う為
▼ただ、世界全体で見るとやはり森林の面積が30年間で4%減少しています・・・
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▼森林の伐採(森林破壊)は新しい感染症を生み出す原因になっている!?
地球上で人間が新たに遭遇した病気。この100年間に約100種類あります。
そのほとんどが、森林が破壊された場所で発生しているんです。
・・・というのも
森林が破壊されて動物が追い出され、その動物に宿っていたウイルスが人間に感染します。
▼森林の中にいたウイルスを人間に感染させる中間役として言われるのがコウモリ!?
なぜコウモリが原因になるのか・・・
まず、地球上の哺乳類は、5000種類~6000種類と言われています
その内コウモリは1100種類いるんです(ちなみに日本は6種類)哺乳類の内 5分の1は実はコウモリ!!
様々な地球環境に適応して、夜行性で天敵も少ない、平均寿命は20年~30年
しかも飛び回るから、色んなウイルスと接触しやすいんですって。
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私たち人間は、この2年間新しいウイルスに翻弄されています。
その原因のひとつに“森林破壊”があるというように考えて、
脱炭素化のみの目的ではなく、新しい感染症に対応するためにも、これ以上の森林破壊は防がなくてはなりません。