放送内容

『明日への一歩~“和ろうそく”の灯(あかり)の先に②~』

2021年07月14日

[ラジオ 水と緑関連記事]

『松山櫨復活委員会』を立ち上げた矢野眞由美さんをご紹介!

椿オイルと櫨を使った虫除けクリームづくり

矢野さんは、ハゼの木を残したい!そして田主丸で生まれた伝説のハゼの品種「松山櫨」を復活させたい!と
2007年『松山櫨復活委員会』を設立され、様々な活動をされています。

ハゼの木から作られるのは、“和ろうそく”だけではありません!
ハゼロウで作った“ワックス”は色々な物を磨くことが出来ます。

もともと和弓は、竹に、櫨の木の芯材を、張り合わせて作られるそうで、
矢野さんは、弓に櫨が使われている事を知って、弓道も学ばれたそうです!
和弓はとても高級で貴重な物ですから、お手入れしないといけないのです。
ですから櫨のワックスで手入れをすると相性がいいのです!
その他、雅楽の楽器のお手入れにも使われています!

保湿力が強いのでハンドクリームや保湿クリームなど化粧品にも使われています!

今回、『虫除けクリーム』を作る体験をさせて頂きました。
椿油(世界つばき館で、低温で搾り取られた椿油) と
白蝋(はくろう)(ハゼロウを砕いて2か月ほど天日干しにしたもの)をまぜて、
湯煎で溶かして、虫が嫌いな香りのするアロマオイルを入れて、混ぜて出来上がり!

今回、芳樟(ホウショウ:台湾に生息するクスノキの変種、鎮静効果・虫除け効果がある)とラベンダーを選びました。
他、ヒノキ、シトロネラ(シソの香り)、レモングラスなども GOOD!

【椿オイルと櫨を使った虫除けクリームづくり】zoomを使ったオンライン講座です。
 2021/8/28(土) 14:00〜15:00 は、現在予約受付中。料金は2,800円
「2021年 久留米まち旅博覧会」で検索を!

櫨の木は、昔から生活に密着した大切な樹木なのです!

取材場所:久留米市「世界のつばき館」

櫨の花は5月~6月頃咲きます。
そして養蜂家が色、味、香りともに絶賛する蜜が採れます!

「櫨の花はちみつ」130g 1512円 http://hazeya.jp/

そして伐採された櫨の木の芯材は、とてもきれいな黄色!
染料としても、昔から使われてきました。

平安時代以降、
天皇陛下が重要な儀式の際に着用する「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」は
櫨の芯材と蘇芳に酢と灰を媒染剤して染められています。
「黄櫨染御袍」は天皇陛下しか使うことが出来ない禁色で、
長きにわたって継承されてきた日本伝統の装束です。

櫨の木は、昔から生活に密着した大切な樹木なのですが、
ハゼ負け(ウルシ科の植物なので樹液に触れるとかぶれてしまう)」という事で嫌われ、
今はハゼの木が激減。
子供達も、通学路の途中にある樹木がハゼノキだという事を知らないので登校。
矢野さんは、うきは市立福富小学校の横にある「延寿寺曽根(えんじゅうじそね)の櫨並木」で、
毎年12月に『ハゼの実ちぎり体験』を行っています。
子供達は、櫨の実から“和ろうそく”が出来ることを知って、楽しそうに櫨の実ちぎりをしているそうです!

正しい知識を伝えていく事も、とても大切ですよね。

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