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アサコレ!コラム

オリンピック聖火ランナーの靴は? ~RUNNING MAN~

2019年06月12日

[アサコレ!コラム]

 「あなたも聖火ランナーになって走ってみませんか!」というニュースがありましたね。「日本コカ・コーラ」は、スマホアプリで2020年東京オリンピックの聖火ランナーの公募を今月17日(月)から始めます。

 ほかにも「トヨタ自動車」「日本生命」「NTT」の3社が6月24日から、各都道府県でも7月1日からスタートさせます。当然、抽選になりますが、これらを含めた応募チャンスは全部で5回。

 自分の国で開催されるオリンピックの聖火ランナーは魅力がありますね。やはり、聖火ランナーに関するこんなニュースもありました。

 1964(昭和39)年の東京五輪でギリシャから東京まで、航空機移動を挟んだ約2万6千キロにわたり聖火をつないだ約5千人のランナーが履いた靴は、久留米市の靴メーカー「アサヒシューズ」製だったんです。

 西日本新聞に載っている写真で見ると、白無地のシンプルなデザインで当時としては珍しい2層構造のゴム底。ただ、この靴にはあるエピソードがありました。

 当時の聖火リレー最終走者を務めた故・坂井義則さん…広島原爆投下直後に生まれた陸上選手の方ですが、その坂井さんの手元に届いた靴のサイズが合わなかったんです。

 アサヒシューズに連絡が入ったのは開会式の2日前。予備がなかったようで、久留米工場で急きょ作った新しい靴を東京まで運ぶ大役を務めたのは当時の社員・永冨公彦さん(78)。

 通常の生産ラインとは別のところで作られた靴は「両手で持った箱越しに熱が伝わってくるほどだった」というのはリアリティがあります。

 午後6時発の寝台特急に飛び乗ったものの「大事な靴を忘れたり盗まれたりしては大変だ」と思い続け、緊張してほとんど眠れず、翌日の朝午前8時に東京駅に着き、無事近くの東京支社に靴を届けてミッション完了。

 開会式当日は、独身寮にあるテレビで国立競技場でさっそうと聖火台へ向かう最終ランナー坂井さんの姿を見た。「聖火リレーの大事な役割を果たし、自分も会社もオリンピックに参加したという気持ちで、とてもうれしかった」とのこと。そりゃあそうですよね。

 さあ、来年はどんなドラマが待っているのかってこともありますが、シューズはどうなるのかってことも気になったりして…。
 
 M「RUNNING MAN」氣志團

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