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アサコレ!コラム

宗像では「アサギマダラ」が… ~白い蝶のサンバ~

2019年09月23日

[アサコレ!コラム]

 今週の「ふるさとウイッシュ」は宗像市。国蝶の候補にも選ばれたアサギマダラを保護しようと「宗像アサギマダラの会」の皆さんが、ホタルの里公園で幼虫の飼育や生息環境を守る活動をしています。

 名前は、翅(はね)の浅葱色(あさぎいろ)に由来していますが、ふわふわと優雅に飛ぶ美しい蝶です。

 珍しい特徴があり、秋から冬には沖縄や台湾へ、春から夏にはその逆のルートで、長距離を移動するんですね。宗像市でアサギマダラが飛び交うシーズンは10月で、まさに南に旅立つこれからが見ごろ。

 その旅の移動経路を調べるために、はねに標識となる番号やローマ字の記号を書いて放ち、別の地域で捕獲されたものを調べることで移動距離やルートを調べる「マーキング調査」が全国で行われています。

 ネット上にアサギネットという情報サイトがあり、移動情報はそこで見ることができます。宗像でマーキングされた蝶が屋久島や奄美大島、沖縄で捕獲されたこともあるんです。

 このアサギマダラが好むのが秋の七草の一つ、淡いピンク色のフジバカマ。ホタルの里公園には2カ所、フジバカマの畑があり、やはり「宗像アサギマダラの会」の皆さんが管理をしています。

 特に暑い夏場の水やりはたいへんな苦労がありますが、それが実ってこの秋もきれいな花を咲かせ、先週の金曜日もオスのアサギマダラが蜜を吸う姿が見られました。

 蝶といえば「春」のイメージがありますが、秋に飛び交う蝶もいるわけで、俳句の季語にも「秋の蝶」というのがあります。

 そういえば秋の季節は、咲いている花の色と蝶の色とが似通っているので、見つけた蝶もすぐどこかに行ってしまうような気がします。高浜虚子の俳句にこんなのがありました。 「見失ひ 又見失ふ 秋の蝶」

 M「白い蝶のサンバ」一青窈

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