タイで「DD51」のお世話をしている日本人の方は… ~ラヴ・トレイン(LOVE TRAIN)~
2019年10月21日
[アサコレ!コラム]
久々に「ブルートレイン」にまつわるニュースを目にしました。しかも東南アジアの国・タイからです。
1975(昭和50)年から、現在は廃止されているブルートレイン「北斗星」や「カシオペア」などを北海道内でけん引していたディーゼル機関車「DD51」2両は引退した後、タイで第二の人生を送っていたんです。
JR北海道が、ブルートレイン「北斗星」の運行をやめた4年前の2015年にそのDD51は廃車になり、商社経由でタイに売却されました。
いずれも真っ青な「北斗星」色のままで、金のラインや車両の側面に描かれた星の図案も残されています。
ただ、運転席の表示は「過速・空転・停止」などと漢字のまま。しかもマニュアルも日本語で、日本の専門家からは「(現地での)操作は基本とは異なっている」と指摘されてしまいました。
そこで「日本の鉄道技術への信頼は裏切りたくない」と、ひと肌脱いだのが吉村元志(よしむら・もとゆき)さん(62)。
クラウドファンディングを立ち上げて、今月末の締切り前に、目標額を上回る190万円の金額を集めました。これを基にして、日本からタイに技術者を派遣し、DD51の運転や管理の技術を伝授してもらおうという構想です。が、この吉村元志さんなる人物が気になりました。
当然、旧国鉄出身者か、いずれかのJR会社のOBの方かと思いきや、本業は長崎のホテルの営業本部長だった!
そして、13歳の時から乗った列車の車番や座席を細かく記録しているほどの鉄道好き。鉄道愛好家でつくる「長崎きしゃ倶楽部代表世話人」という肩書で、鉄道と人とをつなぐイベントも手がけています…って、つまりは鉄道マニアの方だったんですね。
第二の人生でタイの経済発展を担うDD51のエピソードに日本人の心意気を感じたわけで…。
M「ラヴ・トレイン(LOVE TRAIN)」ロッド・スチュワート
なお、日本で運行していたディーゼル機関車の人気は高く、ミャンマーなど「引退」を待っている国は複数あるとのことでした。