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アサコレ!コラム

いや~「梅宮辰夫さん」ってスゴイ人で… ~憎いあん畜生~

2019年12月13日

[アサコレ!コラム]

 俳優の梅宮辰夫さんが、昨日の朝にお亡くなりになりました。81歳でした。胃がんに始まり、十二指腸から前立腺に至るまで1974年から闘病生活が続いていましたが、そんなことはおくびにも出さないプロフェッショナルな方でした。

 梅宮さんの活躍を紹介するうえで、テレビドラマ「前略おふくろ様」の渋い板前役から「スクール☆ウォーズ」の和田アキ子さんとの夫婦役。「はぐれ刑事純情派」と「特命係長・只野仁(ただのひとし)」に、最近でもKBCテレビの「やすらぎの刻(とき)~道」まで、数え切れない作品が出てきます。

 さらには実業家として「梅宮辰夫漬物本舗」があって(なつかし~)、お笑いトリオ・ロバートの秋山さんによる「体モノマネ」のネタまで、まさに「マルチタレント」と呼ぶにふさわしい方でした。

 しかし、ご本人は俳優人生についてこう語る「みなさんの中で役者・梅宮辰夫は『仁義なき戦い』の印象が強いかもしれないけど、僕の真髄は不良と女たらしを兼ねた『不良番長シリーズ』なんですよ」とのこと。

 そう、1968(昭和43)年から東映で16本作られたヒットシリーズで、不良グループ映画・番長映画・愚連隊映画・ヤンキー映画・暴走族映画などの元祖となる作品だったのであります。

 そんな映画の制作現場で梅宮さんの人柄が伝わるエピソードがあって、撮影所で、娘のアンナちゃんのおしめを交換していたら、(当時の)東映の岡田茂社長から「お前何考えてんだ、プレイボーイの役やる人間が赤ん坊のおしめ換えてるんじゃないよ!」と言われ、映画が1本流れちゃった…なんてハチャメチャな時代だったんですね。

 偶然にも来週の金曜日、12月20日には自伝「不良役者 梅宮辰夫が語る伝説の銀幕俳優破天荒譚(たん)」の双葉社からの出版を控えていて、その中で芸能生活60周年の意気込みを聞かれた梅宮さん「いまの芸能界は夢がないんで、何かやろうという意欲がわきませんね」ってそのセリフこそ“不良番長”そのもの…というお話でした。

 M『憎いあん畜生』梅宮辰夫

 1966年ですから昭和で言うと41年、梅宮さん28歳の歌声でした。

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