国宝級の“アレ”に触ることができるんですって!? ~U・キャント・タッチ・ジス~
2021年02月08日
[アサコレ!コラム]
福岡県大野城市の「大野城 心のふるさと館」で開催されている展覧会での話題です。
ゴッホの油彩に歌川広重や葛飾北斎の浮世絵…なんとこれらの絵画、すべて手で触れることができるんです。油彩の凹凸やキャンバスの張り具合までが体感できるなんて夢のような話。
さらには、触ることはできませんが、今から千三百年以上前に描かれた国宝「奈良法隆寺金堂壁画」まであるって、ちょっと待った!そんなことはありえな~い!1949(昭和24)年に火災で燃えちゃっていまうから~残念!!
しかし、展覧会のタイトルを見て納得しました。それは「東京芸術大学スーパークローン文化財展」。そう、すべての展示品が、東京芸大が復元した「クローンの文化財」なんです。
法隆寺金堂の再現コーナーに置かれた釈迦三尊像は、3Dスキャナーやプリンターを使って樹脂製の原型を作り、銅を流し込んで鋳造したもの。
ハイテクばかりではなく、手作業でやすりがけを行い、輝くブロンズ像に着色して飛鳥時代の風合いを出すなど、伝統的なアナログ技術も駆使しています。
釈迦三尊像の後ろに回って見ることができるのもクローン文化財ならでは。「聖徳太子と等身大」だと記された銘文を読むなんて、奈良の都でやったら捕まってしまいます。現地は薄暗いうえに金網越しでの鑑賞ですからね。
東京芸大特任准教授の平諭一郎(たいら・ゆいちろう)さんは「クローンを通じて、文化財の背景や精神的な意味も含めて伝えていくことが重要です」と語りますが、そうなるとこの曲のタイトルも死語になっちゃうわけで!
M 『U・キャント・タッチ・ジス』MCハマー
クローン文化財20点を展示している特別展「東京芸術大学スーパークローン文化財展 アジアの美にふれる-法隆寺・高句麗・敦煌-」は3月14日まで、福岡県大野城市の「大野城 心のふるさと館」で開催中。休館日は月曜日(祝日の場合は、翌平日)ですのでご注意ください。
開館時間:午前9時から午後7時
入場料:一般400円、小中高生100円
問合せ:092(558)5000
※このコーナーは、日々報じられる数多くのニュースの中からピックアップした話題を再構成しています。