放送内容

自治体からの避難情報について考えるPART1 避難準備・高齢者等避難開始

2019年11月06日

[番組で紹介した情報]

いのちを守る防災ラジオ、KBC防災解説委員の太田祐輔です。
百市なるみです。

毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
今日のテーマは「自治体からの避難情報について考えるPART1 避難準備・高齢者等避難開始」についてです。

(太田)
先日の台風19号で全国的に大きな被害が出ました。
その中で一度丁寧に説明しておかないといけないなと考えていたことを3週にわたってお伝えしていきます。
災害が発生しそうな時、住民にいのちの危険が迫った時に自治体から出される避難情報が3つあります。

(百市さん)
避難指示とか避難勧告ですよね。

(太田)それともう一つが避難準備・高齢者等避難開始です。
2019年からスタートした災害警戒のレベル化ではレベル3となります。ちなみに残りの避難指示と避難勧告はレベル4です。

(百市さん)
ちょっと前まで、避難準備だけで高齢者等避難開始はついてなかったですよね。

(太田)
そうなんです。この避難準備情報が出されるようになったのが2005年ですが、当初は避難準備だけで「高齢者等避難開始」はついていませんでした。
2016年の台風10号で死者25人以上の甚大な被害が東北、北海道を中心に発生した時に、この情報が意味することが伝わっていないということで、「避難準備」だけではなくて、「避難準備・高齢者等避難開始」と表現されるようになりました。
2016年の台風10号では岩手県で高齢者施設近くを流れる川が氾濫し、施設内に水が流れ込んで9人のお年寄りが亡くなりました。
その時にもともと避難準備の中にあった「高齢者など避難に時間がかかる人は避難を開始してください」という意味を分かりやすく伝えるようにしたというわけです。

(百市) 避難に時間を要する人というのは高齢者以外にはどういった人たちが考えられるのでしょうか?

(太田)
乳児・幼児を抱えている人もそうでしょうし、身体に障がいを持っている方も含まれます。それとここも大事なのですが、「など」には土砂災害警戒区域に指定されている方や、洪水ハザードマップの浸水エリアに指定されている方も含まれます。その地域にお住いの方は自分と家族のために避難を開始しなくてはいけません。

(百市)
繰り返しになりますが、そういった方々はその段階で避難を始める必要があるわけですね。
それと「避難準備」といっても、何をどうしていいのかわかりません。
どういったことですか。

(太田)
文字通り避難準備なので、安全な場所に避難するための準備を始めてくださいということです。安全な場所というのは、みなさん避難所だけではありません。自宅がマンションの上の方にあるとか言った場合は、自宅にとどまるとことも避難になります。
それと持ち物の準備も大事です。
避難袋を用意するとか、最低限の現金を用意する。水などもそうですね。
それと近所の人への声掛けなどもこのタイミングで行っておくことが大事です。それと大事なのはテレビ・ラジオなどで正確な情報を受け取れる体制を作っておくことも大事です。
自分の家の周りには町や村が避難の情報を伝えてくれるスピーカーがあるので、そこで情報を得られればいいと考える人もいるかもしれません。でも今年9月の台風15号による被害では、千葉県で災害対策本部を設置した33市町村のうちおよそ9割の29の市町村で、防災行政無線の一部が一時使えなくなったという新聞報道もあります。
ラジオなど情報を把握できる機器を準備して、素早く情報を得られるようにしておいてください。

●今日のポイント

今日は「自治体からの避難情報について考えるPART1 避難準備・高齢者等避難開始」についてでした。
今日のポイントを太田さんお願いします。

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