放送内容

被災者の声を聴く~八女市星野村 後藤富美子さんの思い その3

2020年01月15日

[番組で紹介した情報]

いのちを守る防災ラジオ、KBC防災解説委員の太田祐輔です。
山田優子です。
毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
今日のテーマは「被災者の声を聴く~八女市星野村 後藤富美子さんの思い その3」です。

4週にわたって、八女市星野村で民宿ととっても美味しい食事を出すお店、「ふみちゃんとみそ汁屋さん」を営む後藤富美子さんの声をお届けしています。
2012年の九州北部豪雨で、星野村では甚大な被害が発生しました。
その時に大きな被害を受けた後藤富美子さんに、今何に備えればいいのか お話を聞きました。

(太田)後藤さんにとって、被災した時に、事前にこういうことを準備しておけばよかったとか思われることはありますか?

(後藤)大事なものっていうのはありますよね。
娘のことがあったからですけど、女性は常日ごろから生理があったりしますから。生理用品なども事前に準備しておく必要があります。それと高齢者になってくると、お薬ですよね。
すぐに病院にいけなくなります。豪雨の予報が出たら、確認することが大事です。
あと、自分の血圧の薬などですね。どうしても血圧は上がりますので、そういう常備薬なども絶対必要だと思います。

(太田)普段血圧が高い人は、ストレスがすごくかかるでしょうから
ますます大変な状況になったりするわけですね

(後藤)老人ホームの方たちは、介護士さんや看護師さんたちがしていただけるけど、家では自分が自分のことを守っていくようなことをちゃんと思っておかないとまわりに迷惑をかけることになると思います。

(太田)あとこういうものを用意しておけばよかったものは?

(後藤)もちろんお水は絶対いります。
ノドは乾くし、停電したりしたら、水がまず出ないです。
それとやっぱり、非常食です。チョコレートでもいいからですね、なんか長期保存ができる飴玉でもいいです。
何か口にくわえたら、そこでちょっと命がつながりますので。

(太田)実際に被災されて、その飴玉みたいな甘いものを口にしたときって、どんな感覚になるのですか?

(後藤)やっぱ、ほっとするじゃないですか。
とにかく持ち出せるようなもの。賞味期限を見ながら、ときどき入れ替えながら、すぐにリュックサックに入れられるようにしておくことがいいですよね。

それと、逃げるときに長靴が良いというイメージがあるかもしれませんけど、そんなことはありません。
長靴の中に水が入ったら動けなくなります。だからスニーカーで逃げたほうがいいです。しっかりと履いてけがをしないようにしてください。そうすると、逃げられますので。

(太田)普段から準備しておくことは大事ですね。

(後藤)そうです。普段やっていることなのだけど、その時になったらね、興奮してね、「あぁどうしよ」としか思わなかったりするのです。ちょっと一回落ち着かないとだめです。コレとコレをもって出ないといかんねって家族で話したり、隣組の人たちと話したりして、そして周りの人たちに迷惑をかけないようにしないといけないですよね。自分で自分の命をしっかり守ったら、次に進めますから。それは経験して思いました。

(山田)自分が自分を守る。自分の命を守るっていうことが、すごく心に残りました。
常備薬はもちろんですが、飴玉とかチョコレートとか、普段自分が口にしているものも大事なんだなぁと実感しました。

●今日のポイント

「被災者の声を聴く~八女市星野村 後藤富美子さんの思い その3」でした。
それでは、太田さん 今日のポイントをお願いします。

来週も後藤さんの声をお届けします。

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