放送内容

NPO法人 福岡被災地前進支援がめざすもの~吉田さんが考える課題も含めて

2021年02月17日

[番組で紹介した情報]

「KBCラジオ みんなで防災!」KBC防災解説委員の太田祐輔です。
百市なるみです。
毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

6週にわたって、災害支援活動と災害啓発活動を展開しているNPO法人福岡被災地前進支援の理事長 吉田 敦(よしだ あつし)さんに話を聞いています。
最終週の今日は、「NPO法人 福岡被災地前進支援がめざすもの」についてです。

(吉田さん)
被災地支援と防災啓発を2本の柱として、活動を続けていきたいというふうに思っております。
被災地支援については被災者の方に前向きな気持ちになっていただくためにという趣旨でこの前進支援という団体の名前が付けられましたので、そのお名前の由来を大事にしたいという風に思っています。それと一人一人の力は非常にささやかなのですが、息長く続けていくために無理をしないということも実はこの団体の創立当初からのモットーで、楽しくなければボランティアじゃないという言葉をモットーにしています。

(太田)実際に災害現場に飛び込んで活動を行っている吉田さんから見た、 その課題みたいなものはどういうところにありますか?

(吉田さん)課題って本当にたくさん様々あるのですけれども、今私が一つ気になっているのは「受援力」=支援を受ける力、これだけですね。
各地で毎年様々な災害が発生していますが、個々の被災地の被災者の方であるとか、あるいはボランティアセンターを運営される社会福祉協議会の方、あるいは行政の方にとっては、実は初めての経験であることがほとんどなわけですよね。当然のことながら現場っていうのは混乱をします。
大きな災害になればなるほど、被災地の人達だけでは復旧や復興は困難で、外部からの支援が必須なのですが、外部からの支援をスムーズに受け入れるための「受援力」が弱いと復旧復興の遅れにもつながります。
例えば2020年7月に発生した水害では新型コロナウイルス感染拡大防止のために広域からのボランティアを受ける受け入れることができませんでした。
こういったことを教訓にして、ウイルス感染期に災害が発生しても広域からの支援を受け入れるためにはどんな方法があるのか、普段から対策を検討しておく必要があるという風に思います。
我々が今福岡の中でボランティア団体が横のつながりを持って、福岡で何か発生した時にすぐに色んな団体が集まって、どの部分でどの地域でどんな支援がより必要なのかという部分を調整するとか、あるいは福岡の近隣で発生した時には福岡から近隣を助けに行こうかとかっていうそういうその日頃からのちゃんと顔の見えるつながりを維持して、「受援力」を高めようと努力もしています。

(太田)ラジオを聴いている住民の皆さんに一番伝えたい事っていうのはどういうことでしょうか?

(吉田さん)実は、防災啓発の活動をしていましても、集まってくださるのは日頃から防災に関心を持っておられる方がほとんどで、関心のない人になかなか届かないというのが悩みの種なのですけれども、防災にはどんなに備えていてもあらゆる災害に対応することっていうのは不可能で、防災に100点なんて無いのです。防災に完璧を求めないでちょっとしたことでも構わないので、一歩でも二歩でも行動に移していただきたい、というふうに思います。
例えば、水の備蓄は十分なのか、非常食の期限は切れていないか、あるいは地震に備えて家具の固定ができているか、この放送をお聞きの方にも、何か一つでも防災のために動いて頂けたら嬉しいです。

【今日のポイント】

(百市)「受援力」という言葉、初めて知ったのですが、大事なキーワードになりますよね。
支援したくてもできないというのは、まさに昨年の7月の水害のときにはあったわけで、助かる命が助からないとか、支援したくても受け入れてもらえないというのは、多くの人がもどかしさを感じたと思います。

NPO法人福岡被災地前進支援の理事長 吉田 敦(よしだ あつし)さんをお迎えしてお話を聞きました。

それでは今日のポイント 太田さんお願いします。

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