津波にどう備えるか その5 津波の際の避難行動のポイント
2021年12月01日
[番組で紹介した情報]
「KBCラジオ みんなで防災!」
KBC解説委員の太田祐輔です。
百市なるみです。
毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
(百市)5回シリーズで「津波」についてお送りしています。
今週は「津波にどう備えるか その5 津波の際の避難行動のポイント」です。
太田さん、どんなポイントがあるのでしょうか
(太田)9つのポイントを紹介します。
まずは1つ目。「水辺からすぐに離れる」です。
この番組でも「津波てんでんこ」の話を紹介しました。
最大の津波が1メートルまでの津波注意報の場合でも水辺は危険です。
ただちに海岸や川べりから離れるようにしてください。
2つ目は「高い場所に速やかに避難する」です。
より高い場所、より海から遠い場所に避難しましょう。
各自治体が出しているハザードマップに津波の最大の高さの想定が書かれている場合があります。
この地域では何メートルの津波が想定されているので、少なくともこれぐらいの高さは必要だと事前に想定しておくようにしてください。
3つ目は、この番組でも言いました。
津波の速度はとにかく速いです。水深5000mのところで地震が発生した場合はジェット機なみ、水深500mのところだと新幹線なみのスピードで津波はやってきます。
目に見えてから逃げるのでは間に合いません。
4つ目、これも大事です。「避難したら簡単には戻らない」
いったん避難したのに様子を見に行って津波に巻き込まれる例は東日本大震災でもありました。第1波が引いたとしても、津波警報、注意報が解除され安全が確認されるまで、避難を継続してください。
5つ目、「津波は何度も来ます。」
複数回やってくることもありますし、あとからくる津波の方が高くなることもあります。
6つ目は「場所により、より高くなることもあります」
津波は沿岸に近づき、水深が浅くなるほど、急激に高くなります。
またV字型の湾や岬の先端など地形の影響で、局所的に高くなることがあります。
7つ目、「津波は遠くからも来る」です。
津波は遠方からもやってきます。日本近海の地震が伴わない津波注意報、津波警報にも注意、警戒が必要です。遠くチリで発生した地震による津波で、日本に被害が出たこともありました。
あと8つ目「原則 徒歩で避難する」です。
車では渋滞や危険を招く可能性があるので、原則徒歩で避難するようにしてください。
津波のスピードとの勝負です。徒歩でしっかりと避難するためにも早めの行動をお願いします。
そして最後ですが9つ目のポイント、それは「正しい情報を入手する」ということです。
大津波警報、津波警報、津波注意報が出た場合は、自治体の防災無線や、テレビ、ラジオを通じて正しい情報を入手するようにしてください。
それとこれは矛盾するように聞こえるかもしれませんが、情報を待っていたら、避難が間に合わない場合もあります。地震が来たら、「津波がくるかもしれない」と想定して、避難行動をとることも大事です。
(百市)これまで5回にわたって津波についてお伝えしてまいりましたが、私自身も知れば知るほど、津波への恐怖感が強くなりました。目に見えてからではもう遅い。
それを一番感じました。スピード勝負、避難も情報の入手も、前に前に取っていかないといけないなと感じました。
(太田)事前にどう準備するかが大事です。津波の危険がある場合にどう行動するかを、発生していないこのタイミングで考えておくようにしてください。
(百市)KBCラジオみんなで防災
今週は「津波にどう備えるか その5 津波の際の避難行動のポイント」をお送りしました。