放送内容

被災者の声を聴く 佐賀県武雄市の豪雨災害について その7

2022年01月19日

[番組で紹介した情報]

「KBCラジオ みんなで防災!」
KBC解説委員の太田祐輔です。
百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

(百市)今週は「被災者の声を聴く 佐賀県武雄市の豪雨災害について その7」です。

(太田)令和元年に続いて去年も自宅が浸水する被害を受けました。
佐賀県武雄市の吉田敬幸さんにお話しを聞いています。
今週は2度災害を受けて、吉田さんが準備していること、そして心構えについて話を聞いています。

(吉田)避難準備のもう1回見直しをしたというとこです。今回、在宅避難のためのセットも持っていたのですが、避難所用の避難セットと在宅避難用の避難セットを別に用意をしました。あと、水、食糧とかですね、着替えとか携帯のバッテリーなどももう1回見直して厳選をしたところです。また浸水する地域に住んでいたということもあったので、子供用のライフジャケットも本当に心の支えとして準備をするようにしました。在宅避難する時は水3日分とかよく言われていますけど、それはそれでちゃんと置いとくようにして、避難所に行く時にはすぐ持ち運びできるように、よりコンパクトにまとめたセットというものを別に用意するようにしています。

(太田)心構えの部分ですね、何か変化はありますか?

(吉田)2度の浸水を受けるっていうことで、本当にもう何が起きても不思議じゃないなと。より危機感をより強く持つようになりました。この前は過去最強クラスの台風というものが九州の方に近づいたというのがあって、たまたま運良く被害が最小限におさまったのですが、いつあのレベルの台風が来ないとも限らない。今回、私2度の被害を受けたことで本当に何が起きても不思議じゃないなということ実感したところです。

(太田)家族の関係性とか、変化した部分っていうのはあったりしますか?

(吉田)災害を受けてからなかなか余裕もなくても不安なことだらけで、例えばお金の事だとか、今後の生活のことだとか、色々ギスギスする部分もあったかなという風に思います。また災害を受けてから人からかけてもらう言葉にも傷つくような、本人は意図してなかったかもしれないのですが、そういう風に捉えてしまうようなこともありました。

例えば、「頑張ってください」というエールも素直に受け取れないっていう風な苦しい部分もあったかなと思います。ただ、子供達もいる中ですので、暮らしていくしかないので、なんとか踏ん張りながら進んでいるという状況です。子供達が明るく過ごしているのが救いかなということで、まだまだ生活は戻っていないのですが、何とか頑張っていきたいというふうに思っています。線状降水帯とか、今まで聞かなかったような言葉が出てきて、日本中そういった災害とか起きているので、本当に災害の被災を受けなかった方もたまたま受けなかっただけで、本当に自分が受けない保証は何もないなというのは強く感じます。だからこそ、準備とか例えば学校だと避難訓練とかそういうのはよくあったりするのですが、自分の家で避難訓練をするかというと、なかなかそういったことはないので、1度自分の家でも避難訓練とかを考えてみてもいいのではないかと思います。

(百市)吉田さんご自身が2度の浸水被害を受けて、何が起きてもおかしくないなって思っていらっしゃると。また1度も被害を受けたことがない私からすると、備えているつもりになっているかもしれないと感じました。だから、こういったお話を聞いて、より備えないといけない、より見直さないといけない、もっと意識を高めて防災に備えなければいけないなと今回、すごく感じました。

(太田)新築の家が2回被害にあうというつらい思いをしながら、色んなメッセージを我々に伝えて頂いたことに本当に感謝の気持ちを述べたいと思いますし、それから吉田さんが世の中とちょっと離れている、孤立感を感じていると伺いましたが、そう思わせないような取り組みを社会全体、地域全体でやっていかないといけないなと感じました。

今週は「被災者の声を聴く 佐賀県武雄市の豪雨災害について その7」をお送りしました。

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