放送内容

筑後の防災おじさん 吉武章さんに聞く その3

2022年03月02日

[番組で紹介した情報]

「KBCラジオ みんなで防災!」
KBC解説委員の太田祐輔です。
百市なるみです。
(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

(百市)今週は「筑後の防災おじさん 吉武章さんに聞く その3」です

(太田)防災服姿で様々な場所で、防災啓発活動と災害復旧のボランティア活動をされています筑後市の防災士 吉武章さんに防災への思について話を聞いています。

東日本大震災のボランティア活動をきっかに防災啓発活動を始めた吉武さんは被災地の活動に役立てようと2つの資格を取りました。


(吉武)被災地に行って、がれき撤去とか様々なことをしました。そして、その後も継続してお手伝いできるにはどうしたらいいのか、どんな資格があったらいいのかって考えました。
受け入れる側もいろんな資格を持っている人たちの方を受け入れやすいですよね。
何の資格も持たずにボランティアしたいと言っても、専門知識がないといったらお断りされる時もある。そのことを考えたときに「防災士」というのは絶対必要な資格だということで、「防災士」の資格を取りました。
その後、がれき撤去が終わってからは、メンタル面も含めた様々な身体介護の必要がでてくるということを考えました。
仮設住宅にしろ、避難所にしろそうです。そういう被災者のメンタル面を支えるには、どんな資格がいいのかを考え、介護の資格を6ヶ月間学校に行って取得しました。
そして、東北では、社会福祉協議会の職員と一緒に、仮設住宅を一軒一軒回って被災者の話を聴くことをしました。
仮設住宅の生活、それから仮設住宅の中に入居されている人たちのその悩み事は様々です。中にはやはり外国人の奥様方がいらっしゃいます。
発災前の農業などの仕事をしているときはいいのですが、仮設住宅の狭いところに入ると、そういった人たちは集会所に足が向かなくなる。生活習慣が違うし、発災する前はご家族で農業をして問題なかったのですが、仮設住宅には入居した時には、もうその奥さんは誰ともお話できない状況になる。
そして旦那さんも仕事がない。お酒を飲んでいる。そして暴力を振るわれる。その外国人の奥さんはどこにも行けない。集会所ってみんなとお話し合いもできない。
そんな人が東日本大震災の仮設住宅にはたくさんいました。

(太田)聞いてもらえることで向こうの気持ちもちょっと落ち着くことができることもあるのでしょうね。

(吉武)はい。ただ、僕らはもうそばで頷くか、聞くだけです。

(太田)それもまたつらいですよね

(吉武)本当に涙が出てきます。もう自分が折れそうになる、負けそうになる。ずっと尾を引くような状態の時もありました。

(百市)吉武さんを通してお話を伺うだけでも、辛い気持ちが伝わってきますね。
でも、お話を聞くだけとおっしゃっていましたけど、何ができるか考えて、2つの資格まで取得されて、吉武さんがいかに被災者、被災地に寄り添ってこられたのかがわかりますよね。

(太田)大変な思いをされている方に寄り添うために、介護福祉士の資格を取って、実際に介護のお仕事もされているそうです。弱っている方に寄り添うということを、すごく熱心にされている方で、その方の言葉というのは本当に重いと感じました。

KBCラジオみんなで防災
今週は「筑後の防災おじさん 吉武章さんに聞く その3」をお送りしました。

太田さん 来週は?

(太田)地域に溶け込み、地域の中でも防災啓発活動を行っている吉武さんが考える「災害に備えて必要なこと」を伺っていきます

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