放送内容

災害支援団体YNFの活動について その3

2022年06月15日

[番組で紹介した情報]

「KBCラジオ みんなで防災!」KBC防災解説委員の太田祐輔です。
百市なるみ です。
毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

今日のテーマは「災害支援団体YNFの活動について その3」です。

大牟田市など災害被災地で活動を続けている「YNF」という災害支援団体の代表、福岡市出身の42歳 江﨑太郎さんに話を聞いています。

先週の放送で、江崎さんは、被災地で声を出せないで困っている人を探しにいくことの必要性を語っていました。
それでは支援が行き届かずに困っているのはどのような人たちなのでしょうか?


(江崎)例えば、年金収入が月に5万円の方がいたとします。持ち家で老後の生活設計をしていた場合、被災して家を失った場合、まずは家賃が無料の仮設住宅に入居します。そのうちに災害公営住宅ができて、家賃負担が生じるようになると、月に1万円の家賃であったとしても家計には大きな負担となり、月々のキャッシュフローがマイナスになる可能性もあります。こうした問題は、平時の生活困窮者の問題でもありますが、災害起因ということを考えると災害支援の問題でありますが、災害公営住宅が完成する頃にはほとんどの被災者支援は終わってしまっています。課題の発生までにタイムラグがあるような方はなかなか支援が受けられないという傾向はあります。

(太田)江崎さんが支援されていて、困ったような具体例はありますか?

(江崎)いま仮設住宅に住んでいらっしゃって、今後転居を考えている方がいました。その方は元々いた地域になるべく近いところに戻りたいとおっしゃっていました。
どこの被災地も同じですが、被災地では借家物件というのが被災によって減ってしまっています。ですので、なかなか住まいが見つかりません。
また遠くに住んでしまうと、高齢者の方で交通手段がないという方は、社会的な孤立が進んでしまいます。また被災者の中には、自分で自分のことを進められない方もいます。
そうした方の場合は、何が課題になっているのかもご自身で分析ができていないです。
私たちの支援とは、ご自身でできる方は、ご自身で行動していきますので、支援は必要ないと考えていますが、自分で自分のことをなかなかすすめられないという方にこそ、サポートが必要だと思っています。
なるべくならそういった方々を支援していきたいと考えております。

(百市)経済的に苦しくなると、より精神的にも追いつめられますよね。
江崎さんのように耳を傾けてくれる人がいるというのは、すごく心強いだろうなと思いますし、私たちも長い目で支援をしていかなければいけないということを気づかされました。

今日のテーマは「災害支援団体YNFの活動について その3」でした。
それでは今日のポイントを太田さんお願いします。

(太田)「サポートが必要な方をしっかりと見極めて、その方にしっかりとした支援を」 そういう観点での支援活動をYNFは行っています。

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http://saigaiynf.org/

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