放送内容

飯塚市の防災教育=小学校教諭の研究から その1

2023年04月05日

[番組で紹介した情報]

(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。

(百市)百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

(百市)今週は「飯塚市の防災教育=小学校教諭の研究から その1」をお送りします。

(太田)2003年の飯塚大水害や2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた飯塚市では、小学校や中学校での防災教育が盛んにおこなわれています。

その飯塚市の取り組みの中で飯塚市立飯塚東小学校の先生がまとめた研究発表について、きょうから4週にわたってご紹介します。
飯塚東小学校では、学校、地域、行政が一体となって、児童主体のハザードマップをつくるところから活動を始めました。

飯塚市市立飯塚東小学校の桑岡貴志(くわおかたかし)先生です。

(桑岡)福岡県教育センターで1年間、飯塚東小学校の教育課題の解決に向けた研修を行ってまいりました。
その中で、子どもたちが地域の課題を自分ごととして本気で解決していくというような授業づくりを考えていたのです。その時に飯塚市が地域の喫緊の課題ということで地域の豪雨災害というところがありましたので、子供達が自分事として豪雨災害を考えていくような授業づくりをしたいと思って、今回の取り組みを始めました。

(太田)具体的には、どういう内容を行ったのでしょうか?

(桑岡)学校、行政、地域の方々と一緒に、地域の中にどんな防災の課題があって、どんな子供達を育てたいということを共有するための防災プロジェクト会議を行いました。

そして、共通理解のもと、子どもたちを育てるということで防災に取り組んでいきました。
まずは、日頃子供たちが歩いている通学路や、街の様子も日常の様子の写真と実際に過去に豪雨災害が起きた状況の時の写真、また全国各地でこのような豪雨災害が起きているというところの様子を比較する活動を行いました。
また吉田防災管理官から今後、大雨が降る可能性や、命を守るために必要なことはこんなことだよというような問題提起を行うような活動を行いました。

(太田)最初に行ったのが子供達に自分たちの命を守る安全な場所を考えようという風なことだったみたいですが実際にはどういう風に作ったのでしょうか?

(桑岡) ハザードマップを使いながらどのようなとこにできればいいのかとか、安全な場所はどこなのかということを調べて考えていきました。
その時に飯塚市の吉田防災危機管理官の方に指導いただいたりとか、また自治会長さんであったり、地域交流センター長さんからも指導してもらいました。
地域の中でどのように防災を行なっているのだろうというような情報収集を行って、その情報をもとにじゃあ自分達はどこに逃げたらいいのかなというところを考えるような活動を行ってきました。

(太田)自分たちが通っている通学路が、災害の時にはこういう風な状況になっているのだということは、子供たちにはすごくリアルに伝わったのではないかなと思うのですが、その辺りはどうですか?


(桑岡)そうですね。やはり子どもたちの中で過去にあった災害や、全国各地で起こっていることってなかなかですね、他人事のように捉えてしまうところもあると思うのですけども、今回、実際に過去に起きた映像や、実際に活動されている方々の話やアドバイスをもとに自分たちの地域もこんな風になってしまうこともあるのかなという風な形で、自分ごととして捉えて、次への活動に繋がっていったのかなと思っています。

(百市)「自分事として」って言葉を桑岡先生が何度もおっしゃっていたのですが、この子供たちのしている活動というのは、私たち大人も真似できることあるなと思いました。
私自身、東京から福岡に引っ越してきているのですが、いま住んでいるエリアの昔の様子とか過去の災害の様子って知らないので、私も比較してみないといけないなと思いました。

(百市)KBCラジオみんなで防災
今週は「飯塚市の防災教育=小学校教諭の研究から その1」をお送りしました。

太田さん来週は?

(太田)児童たちにとっては、防災に取り組んでいる地域の人との接点を持つことで 防災への興味が生まれました。 そこから先生たちは子どもたちとどういう試みを行ったのかを紹介します。

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