KBCラジオ みんなで防災！

（太田）「ＫＢＣラジオ　みんなで防災！」KBC解説委員の太田祐輔です。

（百市）百市なるみです。

（太田）毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

（太田）2003年の飯塚大水害や2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた飯塚市では、小学校や中学校での防災教育が盛んにおこなわれています。
その飯塚市の取り組みの中で、飯塚市立飯塚東小学校の先生がまとめた研究発表について4週にわたってご紹介しています。

先週は地域独自のハザードマップを作る活動を通して、地域で防災に取り組んでいる人たちと児童との接点が生まれたところまで紹介しました。

この取り組みを行った飯塚市市立飯塚東小学校の桑岡貴志先生（くわおかたかし）です。


（桑岡）飯塚市のハザードマップを元に学習を進めてきましたので、それをもとに次は自分たちの通学路の防災マップを作成するということと、あとそれに加えて作成した防災マップをもとに実際の豪雨時にどのように行動するのかという一人一人の避難計画を考えるような活動「マイタイムライン」を作成する活動を行いました。
防災マップには雨宿りできる場所や、安全な場所を確認することともう一つ、水路など歩く時に危険な場所のとこなど、注意するところなどを書き込むといった防災マップを作成しました。
作っていく中で、ハザードマップ上には赤く塗られていた危険区域がありました。その地域を調べているとき、子供たちがどこに逃げて行っていいかわからないなと悩んでいた時に、地域の方がスッと来られて、「ハザードマップではここは赤いけど、実はここの建物の2階が避難所として開設しているのだよ」というような情報提供していただいたりとかしました。子供たちが調べて、悩んでいることに対して地域の情報、またその防災の情報があって、子供たちオリジナルの防災マップを作っていけたらと考えております。

（太田）「マイタイムライン」はどういう具合につくったのでしょうか？

（桑岡）今回の想定は、子供達の登下校中のゲリラ豪雨ということありましたので、学校と家の行き帰りのところを中心に避難計画を考えました。
まず、学校と家を線で結んで、どんな危険があるのかなというところをチェックしていきながら、ここで崖崩れが起きそうだなと思ったら普通の通学路ではなかなか難しいので、こういう道もあるとかですね、もっとこういう道もあるというようないくつもの道を考えて作っていってですね、どうかしたら自分たちの身を守るためには、もう家に帰ることではなくて、高台に避難するとか、学校に戻るとかですね、そういう風な避難計画を考えていきました。

（太田）判断する指標というのは、空の様子とかになるのですか？

（桑岡）一応、子供達と考えていたのは、危険サインのことです。がけ崩れとか崖から泥水が出るとかですね、入道雲が現れるというような自然の状況を判断することと、あとその水路がだんだん上がってきたとかです。水が上がってきたとか、あと濁流といいますか、水の流れが早くなってきたよーとかですね、この時にはここに避難するというような判断で作ってきました。

（太田）タイムラインを作る中で、飯塚市の吉田防災危機管理官などから、どういう風なヒントがあったのでしょうか？

（桑岡）はい、子供達はハザードマップや防災マップを見て、学習をすすめてきて、やはり子供達の中で地図ということがあって、これも非常に大切な安全な場所や危険な場所が分かるような手がかりとなるものですけども、今度実際に避難していくということですので、地図ではなく、避難計画と言いますか、行動計画にして行かなくちゃいけない。
自分がこの場所に、この地点にいたら、どう避難するかというような、地図ではなく避難計画にするようにご指導いただきました。

子供達がマイタイムラインを作った後に、やはり今雨が降ってない状況でも、通学路帰っている時に、ここがこういうとこだよねとかですね、遠足の時とかに担任の方にここにこういう危険がありましたとかですね、常日頃から見て歩くようになったというようなですね情報は聞いております。


（百市）この取り組みってすごいですね。普段何気なく歩いている通学路の見え方とか映り方とかが変わってきますよね。私自身、ハザードマップを見ていれば、大丈夫かなと思っていたところがあったので、もっと深いところまで道やどんな建物があって、どんな避難場所があるのか、もっと詳しく知らなければいけないと思いました。
家族で取り組めたら、もっといいかもしれませんね。

（百市）ＫＢＣラジオみんなで防災
今週は「飯塚市の防災教育＝小学校教諭の研究から　その２」をお送りしました。