飯塚市の防災教育=小学校教諭の研究から その4
2023年04月26日
[番組で紹介した情報]
(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。
(百市)百市なるみです。
(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
(石崎)今週は「飯塚市の防災教育=小学校教諭の研究から その4」をお送りします。
(太田)2003年の飯塚大水害や2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた飯塚市では、小学校や中学校での防災教育が盛んにおこなわれています。
その飯塚市の取り組みの中で、飯塚市立飯塚東小学校の先生がまとめた研究発表についてご紹介しています。
3週にわたって地域防災の担い手と子どもたちを引き合わせ、子どもたちが自発的に動くように促しながら、独自の防災マップやマイタイムラインを作っていった飯塚市立飯塚東小学校の取り組みについて話を聞きました。
今週はこの取り組みの行政側のキーマンだった飯塚市の吉田英紀(ひでき)防災危機管理監にお話を聞きます。
(吉田)まず一つ目は、桑岡先生の防災教育にかける熱意っていうことですね。
いろんな教育の段階あるのですけど、その前必ずこの市役所に来られてですね、ちょっとしつこいかなと思うぐらいに質問をされて、僕の持っている知識を引き出して、そして自分で一生懸命理解してです、自分のものにしようとする熱意。
これはもう教育にかける熱意ですね。
二つ目はその上で、僕から得た知識を上手くその自分のプランした教育の中で活用するため、僕を一つの道具として使ってくれてですね、このタイミングでこれを言ってくれというような風にコントロールしてくれた。
例えば、飯塚防災というハザードマップがあるのですが、そのハザードマップというのは完全ではないと。例えば、子供達が通る通学路にある小さな水路とかですね、池とかのリスクは全く表示されてないわけですよね。そういうところを君たちの目で調べてくれという風に僕の口から言わせる。そのようにうまく僕を道具として使ってくれたっていう点が非常に良いこと。
そして三つ目はですね、子供達っていうのはやっぱり先生のうつしかがみですので、先生がそれだけ熱意を持っているとその熱意を子供が受けてですね、一つ一つの課題に本当に真剣に一生懸命取り組んでくれるという姿ですね。これは非常に良かったなと考えています。
子供達がグループで作業をしているのです。そのグループで作業をしていて、例えば危険な所、安全な所っていうのを探すのですけど、その時に自分のことだけじゃなくって、自分はもう安全確保したのだけれど、まだ A 君のやつはできてない時に、他の子のことまで一生懸命考えるって言うところ、その姿勢ですね。これは非常にいいなと思いました。
それからですね、通学路ハザードマップを作る時に、例えば Google マップの使い方とかあるいは国土地理院の電子地図の使い方、これを事前に教えるとすぐ自分たちで吸収して事前に調べます。
ところが現地に行ってみると、全く違うところがあると。
その時に現地での発見っていう所をしった時の子供の表情っていうのは非常に印象的ですよね。
先生の話でキーマンっていう言葉ですね、これを最後の授業の締めくくりで「君たちは地域の防災のキーマンだから、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんにもそれをしっかりと今日得た知識を教えてあげなさい。そのことで飯塚のいわゆる自然災害が起きても君達がキーマンになって、飯塚の市民の命を守れるよ」って言った時に彼らの目が輝いたっていう瞬間っていうのは、やっぱり素晴らしいなと思いましたね。
子供達は10年後には大人になりますし、20年後には親になる子供達をいると。
そういった中で、彼らがこういう義務教育の中で、自分で防災に関する情報をどうやってやればいいかっていう技術を学び、そして現地で今起きていることを自分の目で見て判断をして、今起きている状況を判断して、そして適切な行動をとっていくということができる大人になっていればですね、当然その子達もそのような人が伝わるということですね、やはりこの義務教育っていう段階が非常に重要だなあというふうに考えています。
(百市)先生の熱意があったからこそ、子供たちがキラキラした目で防災を学ぶことができたと思うので、私も同じ熱い想いをもって、防災に取り組んでいきたいなと思います。
(百市)KBCラジオみんなで防災
今週は「飯塚市の防災教育=小学校教諭の研究から その4」をお送りしました。