福岡管区気象台 中本 能久(なかもとよしひさ)台長に聞く その3
2023年11月29日
[番組で紹介した情報]
(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。
(百市)百市なるみです。
(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
(百市)今週は「福岡管区気象台 中本 能久(なかもとよしひさ)台長に聞く その3」を お送りします。
(太田)福岡市中央区大濠にある福岡管区気象台 私たちの日常生活にとってなくてはならない気象情報や、危険が迫っているときの防災情報を発信しています。
その福岡管区気象台のトップ、中本能久(なかもとよしひさ)福岡管区気象台長のお話をお送りしています。
先週は福岡市中央区大濠の福岡管区気象台でどのような業務が行われているのかを伺いました。
今週は気象台から出される防災関連の情報についてお話を伺います。
(中本)テレビでよく放送されています「注意報」・「警報」というものがございますし、「土砂災害警戒情報」とか、あと河川に関する情報に関しても発表はしています。
どちらかというと、災害が発生しそうな場合には結構、緊迫感が出てきます。
多分、皆さん一番ご存知の気象情報は、特別警報かと思いますけれども、特別警報で避難を開始すると思われている方がいるのが、まだまだちょっと我々としては普及啓発が足りないのかなというふうに思っています。
土砂災害警戒情報レベル4の状態までに逃げていただくというか、避難をしていただくということが重要かと考えています。
(太田)「特別警報」を待ってはいけないのですね?
(中本)待ってはいけませんし、また「線状降水帯に関する情報」ですね。
あの情報が出ている状態ですとすごく雨が強くて、外に出ると危険かもしれません。そういう状況を鑑みるとやはり自治体の情報やできるだけ早く自分たちが住んでいる地域のハザードマップなどを確認していただいて、これはある種自分の健康診断ですと、どこか数値が悪いと気をつけるじゃないですか。それと一緒で、自分の住んでいるところの把握をするってことが非常に重要だと思っていますので、そういうことに心がけていただきたいなというふうには考えています。
我々としては今、「キキクル」を発表しています。「キキクル」は、色別によって避難の段階、警戒のレベルを指していますので、それを見ることによって判断をしていただきたいのと、自治体からの情報は非常に重要になってきますので、そこには気を配っていただきたいなというふうには考えています。昨年度から色っていうところで、黒にするとかですね、色調で分けていくっていうところが一番ですよね。ですから、そういう意味では、「キキクル」を見て、自分の住んでいる場所がどのところか。
なかなかそれを地図から読み取ることは難しいので、いまアプリケーションも結構、スマホなんかでも通知するアプリケーションもあるので、そういうものも使っていただければいいかなというふうには考えています。
(太田)気象台から出されている情報も、気象を知るためにすごく細かくなっている部分もあると思います。それを伝えるのが我々 マスコミであったりするのですが、マスコミに臨むこと、何かこういう風に留意してほしいっていうところがあったら教えてください。
(中本)マスコミの方々に我々が要望するだけではなくて、我々は一緒に作っていってもらいたいと考えています。危険な状態になっている状況を言葉で伝えるのは非常に難しくて、住民の方の受け取り方も様々です。そこは色々とご相談にも乗ってもらいたいと考えています。
例えば、「暖かく湿った空気が流れ込んで、前線活動が活発になっています」とよく言いますよね。その「温かく湿った空気」というのが、我々が気象庁に入った頃と今では「湿り」の度合いが大きく変わっていて、雨の量も変わってきていますので、そこをどう伝えていくかとか、その緊迫感を皆さんにどう思ってもらう言葉がいいのか、どのタイミングで情報を伝えればいいのかなど、そういうところについては、色々と望むというよりは、むしろマスコミと一緒に作り上げていかなくてはいけないのではないかと考えています。
(百市)昔と今では情報を受け取る際に、同じ表現でも度合いが違うというのは、わからないところですし、そこに緊迫感を持てるかというと、 まだ持てていないことも多いと思います。そこが防災に関する課題だと感じました。

(百市)KBCラジオみんなで防災
今週は「福岡管区気象台中本能久(なかもとよしひさ)台長に聞く その3」をお送りしました。
太田さん 来週は?
(太田)災害に備える上で気象台と自治体がどのような連携を行っているのかを伺います。
