放送内容

流域治水について考える その5

2024年02月07日

[番組で紹介した情報]

(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。

(百市)百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

(百市)今週は「流域治水について考える その5」をお送りします。

(太田)気候変動により水害が激甚化するなかでの対応策として注目されています。「流域治水」についてお送りしています。

(百市)河川流域に関するあらゆる関係者が協働して災害対策を行うという考え方ですよね。

(太田)その「流域治水」の第一人者で熊本県立大学共通教育センター 緑の流域治水研究室の 島谷 幸宏(しまたにゆきひろ)特別教授にお話を伺っています。

先週は熊本県で行われている「緑の流域治水」の取り組み、特に「雨庭」という地上に降った雨水を下水道に直接放流することなく一時的に貯留し、ゆっくりと地中に浸透させる構造を持った植栽空間についてお送りしました。
熊本県では産・学・官でこの流域治水の取り組みを行っています。
官・学はなんとなくイメージがわくと思います。

(百市)国とか行政とか、学校とかもそうですね?

(太田)それでは民間、一般企業はどのようにこの流域治水の取り組みにかかわっているのでしょうか。

(島谷)民間企業の代表が肥後銀行。地方銀行の方がやっぱり、地方の経済が疲弊すると地方銀行ダメになりますので、災害の後、持続的な社会にするというのが使命ということで、銀行の方、それから自動車を販売しているような企業、NTT とかいろんな企業、意外と幅広く参加していただいていますし、個人のお宅からのお問い合わせも増えてきています。あと学校とか、保育園とか、病院とか本当に流域治水でいろいろ業種は問わないのですが。

(太田)放送局も参加されていますよね。放送局はどのような形で参加されているのですか?

(島谷)共同研究企業になっています。やっぱり地方テレビ局なので、地方を持続的な安全な地域にしたいという思いで参加していただいていて、 私たちがいろんな活動している時に、継続的に取材をしていただいて、放送局としてそれを流すことが適切だという時には流していただくということで、その場限りの取材じゃなくて、ずっと研究を追いかけていただいて、報道していただいているのです。


(太田)あらゆる人たちが主体になって「雨庭」というものを進めていると?

(島谷)はい。パートナーシップという進め方が、やっぱり一つのキーワードなのですね。で、今SDG’Sってよく世間で言われるじゃないですか。 一番最後の17番目の目標が「パートナーシップで進めましょう」ということで、いろんな人が協力しながら持続的な社会を作りましょうということなので、それを実際に体現する仕組みとして「雨庭パートナーシップ」というのを作ってですね、今進めているところなのです。

(百市)やってみたい取り組みも、またそれを継続させていきたいと思ったときも、個人の力だけではどうしても難しく感じることもあると思うんですよ。それがこの「パートナーシップ」という一緒に手を組むことによって、可能性も広がるなと感じました。

(太田)パートナーシップとかネットワークとかで大事なワードは「情報共有」 防災は個人ではできないし、幅広くかかわる人を増やすことが必要です。 またこれは日本全体に言えることですが、 少子高齢化で地域のチカラも弱まっている。そんな中で、 持続的な取り組みにするためにも幅広く協働する必要がある。

(百市)KBCラジオみんなで防災

今週は「流域治水について考える その5」をお送りしました。
太田さん、来週は?

(太田)流域治水の考え方の一つ「田んぼダム」についてお送りします。

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