日本赤十字社の活動について~能登半島地震 その2
2024年05月15日
[番組で紹介した情報]
(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。
(百市)百市なるみです。
(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
今日のテーマは 「日本赤十字社の活動について~能登半島地震 その2」です。 今月5月は赤十字運動月間です。 災害時にいち早く現地に駆け付け、救護活動に重要な役割を果たしている日本赤十字社の活動について 先週から4回にわたってお送りしています。
(太田)今年1月1日に最大震度7を観測するマグニチュード7・6の地震が石川県の能登半島で発生し、甚大な被害が発生しました。
日本赤十字社福岡県支部でもすぐに現地にスタッフを派遣し、救護活動を展開しています。
今日も先週に引き続き福岡赤十字病院の看護師長で、派遣第3班として能登半島地震の現場に派遣された中原由紀(なかはら ゆき)さんにお話を伺います。
(中原)今回私は初めて被災地の方での支援活動を行わせていただきました。しかしですね、今までも有事の時はいつでも派遣命令を受けてもいいように気持ちと体の準備はしっかり整えてきておりました。
また、直接被災地での活動を行わない時も、現地で活動してくれるスタッフの穴を埋めるという気持ちで病院での医療や看護の質が担保できるよう、後方支援っていう意識を持って業務に従事しておりました。
やっぱり私は看護師ですので、看護師という専門職として被災者の方に何ができるのかなという風にいつも自問自答しながら関わらせていただいております。やはり被災者一人一人の背景やニーズ、思いも違うと考えます。
被災者の方とコミュニケーションをとりながら、目の前にいらっしゃる方のニーズに応えて、思いに寄り添えたらいいなと思いながら今回活動させていただきました。
現地に行くということで、私自身の身の安全を心配はしてくれましたけども、まあそれ以上に役割を果たせるように「家のことは、子供のことは心配しないで」という風に送り出してくれています。まあそのおかげで、救護活動に集中もできますし、専念もできたと思います。また帰った後も身体だけではなくて、心をいたわる言動が身に染みました。
被災地復興への願いを共有できる家族だからこそ、この支援だと考え、すごく感謝をしております。
私が働いております福岡赤十字病院では、赤十字の基本原則に基づいてですね、国内外の医療救護活動というのを組織の理念に掲げております。例年、救護訓練を繰り返し実施もしておりますし、職員の救護活動ができる能力の習得に努めております。
また、私が所属する看護部でもですね、新人の時から救護の概念や理論、そして実践に至るまで継続した教育を受けております。
これらの職員教育を通して、やはり現地に派遣された全ての職員は、赤十字社の代表として役割が発揮できるよう責任と誇りを持って活動しているというふうに思っております。
今回、実際、私活動に行かせていただいて、活動が終わって帰る時も、まだまだできることが私にはあるのではないかなとか、まだ私を必要としてくれる方がいらっしゃるんじゃないかなと思いながらかなり後ろ髪を引かれながら、 そういう思いで福岡の方に戻ってまいりました。
しかし、私たちの後に担ってくれる赤十字の救護班がしっかり編成されて、継続した救護活動を行ってくれるというそういう安心感ももちろんありましたし、また被災地の状況でニーズに、ニーズが変わってくるのですね。 どういう救護が必要かという風なニーズに合わせた救護が提供できるよう、やっぱり体制を整えて速やかに出動できる、もうこれはやはり日本赤十字の組織力だと思っております。
(百市)中原さんが日本赤十字社で働く上での使命感をすごく強く感じました。
そして組織力はもちろんなのですが、ご家族の理解、支えって本当に大きいんですね。急な派遣、急な母親の不在。その状況に対応できるご家族も同じように使命感を抱えているのではないのかなと思いました。
きょうのテーマは「日本赤十字社の活動について~能登半島地震 その2」でした。
このような日本赤十字社の活動は、みなさんからの寄付によって成り立っています。寄付の方法など詳しくは、日本赤十字社のホームページをご覧ください。