放送内容

線状降水帯について考える その2

2024年06月12日

[番組で紹介した情報]

(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。

(百市)百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

(百市)今日のテーマ「線状降水帯について考える その2」です。

(太田)これから梅雨末期の7月にかけて、全国各地で大きな災害を毎年のようにもたらしている線状降水帯について先週からお送りしています。

(百市)先週は九州の梅雨時期の雨の研究から「線状降水帯」という言葉が出てきたという事、2014年の広島市の豪雨災害から、気象台の発表でも大々的にこの「線状降水帯」というワードが出てきたという話がありました。今週は?

(太田)線状降水帯とはどういう現象なのかをお送りします。

(百市)どういう現象なのでしょうか。

(太田)まずは気象庁の「線状降水帯」の定義から紹介します。
線状降水帯は「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作りだされる、線状に伸びる長さ50~300キロメートル程度、幅20~50キロメートル程度の強い降水をともなう雨域」という定義になっています。

(百市)イメージできるような、イメージできないような。

(太田)気象台の防災アプリのキキクルなどで雨雲の動きをみると、ほとんどの雨雲って、西から東の事が多いですが時間とともに移動しますよね。

(百市)雨雲がこっちの方向にむかっているので、洗濯やめておこうとか確認したりしますけど、だいたい動いています。

(太田)そうですよね。気象台気象研究所によりますと、線状降水帯は、学術的には「定量的な定義」が存在しないことになっています。どういう基準があるかという、ほとんど「動かない」ということ同じ地域に線状の積乱雲がまさにわくように発生し、特定の場所に激しい雨が、降り続く状況それを生み出しているのが線状降水帯ということになるわけです。
そして適切な英訳も存在しないので、英語で表記する場合もSenjo-kousuitaiとなるのだそうです。

(百市)世界的にも通用する言葉になっているのですね。

(太田)残念ながらそうです。
そしてこの線状降水帯は大きな災害をもたらします。
九州北部では2017年の九州豪雨、この時は朝倉市から東峰村にかけて甚大な被害が発生しました。
この時は7月5日20時50分までの9時間降水量は778mm(1時間平均で約86mm)を観測しました。

その時に福岡市ではほとんど雨は降っていませんでした。朝倉市から東峰村にかけて次から次に積乱雲が発生し、雨域がほとんど動かずに同じ場所でかかり、40人を超える死者・行方不明者を出す大災害になってしまったということになるのです。

(百市)当時私も福岡市から朝倉のニュースを見ていましたが、今そんな状況なのかと、同じ福岡県内でこうも差があるのだと驚いたのを覚えています。
やっぱり激しい雨がいつまで続くのかわからない、次々と雲がわくようにということですから、その特徴、「線状降水帯」のクセというものをしっかりと私たちも認識しないといけないですね。

KBCラジオ みんなで防災 今週は「線状降水帯について考える その2」をお送りしました。
太田さん来週は?

(太田)九州の線状降水帯についてお伝えします。

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