放送内容

線状降水帯について考える その5

2024年07月03日

[番組で紹介した情報]

(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。

(百市)百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

(百市)今日のテーマ「線状降水帯について考える その5」です。

(太田)まさに梅雨末期のこの時期に毎年のように全国各地で大きな災害をもたらしている線状降水帯についてお送りしています。

(百市)先週の話の中で、福岡で過去出された大雨特別警報は、6回中、4回が7月5日から10日の間というのが印象的だったのですが。

(太田)そうです。2017年の九州豪雨が7月5日、去年久留米市田主丸の土砂災害を引き起こした大雨特別警報が7月10日1年で一番危険な時期に入っています。
この梅雨末期のこの時期の大雨をもたらしているのが線状降水帯です。
今日お話するのが、線状降水帯が発生または発生しそうなタイミングで出される「顕著な大雨に関する気象情報」についてです。

(百市)「顕著な大雨に関する情報」どういった情報でしょうか。

(太田)「線状降水帯が発生して、災害が起きる危険性が急激に高まっているよ!」と。警戒を呼び掛ける情報です。2021年6月から運用が始まりました。

(百市)この情報が出たときに私たちはどう行動すればいいのでしょうか。

(太田)この情報の目的が、線状降水帯が発生すると大雨災害発生の危険度が急激に高まることがあるため、心構えを一段高めていただくことです。情報への感度を高めてください。
今いる場所の自治体から避難に関する情報が出されていないか、確認してください。
基本的にはこの「顕著な大雨に関する情報」は、警戒レベル4相当の土砂災害警戒情報などが出されている状況で出されます。想定としては自治体から避難指示が出ている状況です。
「危険な場所から全員避難」の段階です。一刻も早く、安全な場所にとどまる、または、危険な場所から安全な場所に向かうようにしてください。

あとはキキクルなどで雨雲の様子を確認することも大事です。もし避難情報が出されていなかった場合も、自分のいる場所が危険な場合はいつでも移動避難ができるようにしていてください。
ただ、急激に状況が悪化した場合には、家の前の道路がもうすでに川のようになっていて、安全に避難できない状況も考えられます。
その場合は、家の中の最も高いところで水が引くのをまつ、崖から最も遠いところで時間を過ごすなど、身の安全を守る最大限の行動をとるようにしてください。

(百市)この急激に状況が悪化するということが考えられるのが「線状降水帯」ですもんね。

(太田)昨年、この「顕著な大雨に関する情報」は観測技術の向上などで昨年から、これまでより30分程度前倒しして出されるようになりました。

(百市)この30分をどう考えればいいですか。

(太田)2017年の九州豪雨の際などは朝倉市や東峰村では、急激に状況が悪化しました。
30分という時間を有効に、逃げられる状況であれば、とにかく速やかに避難行動をとるようにしてください。

(百市)この情報への感度を高める、急激に変化していく雨の状況を見極めるというのも、「キキクル」とかもそうですけど、避難行動も含めて、色んなシミュレーションを普段からしておくことがすごく大切だなと思いました。

(太田)そうですね。避難情報に関して、高齢者等避難が出されたら、あるいは避難指示が出されたらというふうに想定する、それにプラスして「顕著な大雨に関する情報(線状降水帯情報)」が出されたらどうしようというところも含めて
しっかりと雨の降っていない時期に話し合う、これが大事です。

(百市)KBCラジオ みんなで防災 今週は「線状降水帯について考える その5」をお送りしました。
太田さん来週は?

(太田)線状降水帯の半日程度前からの予測情報についてお伝えします。

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