放送内容

過去の災害に学び、どう備えるか その5

2024年08月14日

[番組で紹介した情報]

(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。

(百市)百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

今週は「過去の災害に学び、どう備えるか その5」をお送りします。

(太田)過去の災害の記録を掘り起こし、「まさか」ではなく「いつか」発生することを前提に防災に取り組むことを提唱している九州大学工学研究院 環境社会部門の西山 浩司助教のお話をお届けしています。

今週は、過去の災害を教訓に我々、まずは個人個人が災害にどう備えなくていけないのか「自助」「共助」「公助」の「自助」の観点からお伺いします。

(太田)先生が過去の災害を学びながらその中で感じる自助の大切さですね、自分で自分の命をしっかり守る、自分の家族の命を守る、その観点で大事な事ってどういうことですか?

(西山)認識ですね。ここの地域が危ないというところをちゃんと認識してもらうことですよね。耳納山はもう過去から何度も何度も土石流が発生しているわけだから、ここで土石流に襲われる危険性があるのだということをしっかり理解してもらうことが最初にやっぱり大事になってくるということですね。
で、これはもう私も何度も言いますけど、経験に基づいた防災をしないようにということですね。自分の生きている間に起こると限りませんから、そこをしっかり認識していただくということ。

あとですね、昨年災害がありましたよね。その他の地域って基本、麓まで来ていません。あぁあれは竹野のあそこの周辺だけ起こったことであって、私には関係ないとそう考える人が出てくるのではないかなというのは、ちょっと危惧しているところ。
でも、300年前にはどの谷も崩れました。ということは、どこが崩れるのかわからないのですよ。今回、選択的には竹野が起きたけど、もしかすると隣の地区の谷が崩れたかもしれない 。

つまり、どの谷が崩れてもおかしくないという認識を持ってもらいたい。まず、「自助」の観点から言うとまず自分の認識ですよね。まあここは危ないのだと、災害が起こる可能性があるのだということをしっかり認識するということは、まず出発点。で、災害に関心をもってもらうということですね。無関心だと全く守れません、そこが出発点。その上で自分の家は大丈夫だろうか?その周りの周辺はどうだろうか?近くに谷があるのか、それとも崖があるのか。で実際、襲ってきた時には逃げられるのか、家の中で大丈夫なのか。

実際逃げる場合だったら、どこに逃げた方がいいのかなということをしっかり考えてもらいたいなと思っていて、例えば自分が谷のそばに住んでいるのだったら、やっぱり土石流ってまっすぐ行きますからね。
隣の家だったら助かっていることが結構多いので、ちょっと1つ 2つ 谷から離れるだけでも助かる。
まあそういった可能性高いのでそのあたりの家にちょっとお世話になるとか、そういったことを常日頃から地域の中で 合意形成しておくということが大事かなと私は思います。

(百市)災害時に避難する避難場所というのは把握されていると思うのですよね。何かあったら逃げる場所。
ただ、逃げたあと、自分の家がどれくらいの被害が出るのかという、そこのリスクまで具体的に想像できているかというと少し私自身、甘かったのかなと思いました。
もっと被害がリアルにどれくらいの被害が出るのか想像できれば、防災、備えることの具体的な例がもっとあがってくるのかなと思います。

(太田)その想像も、今まで起こってないから大丈夫だと甘い前提で想像しないようにして下さい。何よりも大事なのは、過去の災害をさかのぼって、このエリアでは過去に大きな災害が起きているのだと。
自分が生きている間にはまだないかもしれないけど、それはいつか起こるのだということをしっかり認識した上で、備えるということですよね。
それが、あなたとあなたの大切な家族の命を守ることにつながります。

しっかり想像して、逃げられるときに早めに逃げる。こういう状況になったら、ここに逃げようという、そういう想像もしておくようにしてください。

(百市)KBCラジオみんなで防災
今週は「過去の災害に学び、どう備えるか その5」をお送りしました。

過去の放送内容