放送内容

過去の災害に学び、どう備えるか その9

2024年09月11日

[番組で紹介した情報]

(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。
(百市)百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

(百市)今週は「過去の災害に学び、どう備えるか その9」をお送りします。

(太田)過去の災害の記録を掘り起こし、「まさか」ではなく「いつか」発生することを前提に防災に取り組むことを提唱している九州大学工学研究院 環境社会部門の西山 浩司助教のお話をお届けしています。
今週は西山先生が今後取り組みたいと考えていることについてお送りします。

(西山)これはですね、非常にオーソドックスな話です。地域の防災士さんと一緒にやりたいなといった取り組みですね。
あまり特別なことをやると、地域でできなくなるので、 やっぱり地域の防災士さんと協力してできるようななんかコンテンツを開発していきたいなとは思っているところです。
例えば「街歩き」ですよね。みんなで地域の方と歩きます。歩くとここは谷川があるからこの両側は渡れないかなとか、側溝があるからここはちょっと水が入ると区別できないから入ったら流されて危ないなとか、ここは傾斜が激しいからちょっと歩けないとかそういったことを歩きながらみんなで共有していくのですよね。

実際にその後に、例えば災害図上訓練みたいなこととか。これは防災士さんが得意とする分野です。実際に地図を使って、要はそれを見ながら、班分けをして、各班でここからこう逃げようかって、ここからこう逃げたらここ渡れるかな、ここはちょっともう川みたいになっているよとかね、これはダメだからこっちに逃げようとか、そういう話をみんなで話すのですよ。
それが災害図上訓練。終わった後にみんなで発表するのです。
私はこうやって逃げるようにしましたとかすることで地域の災害リスクと共にどう 逃げていったらいいのかっていうことも含めて、全部分かったりするのですね。

そういったことをできれば地域の防災士さんと一緒にできたらいいなとは思うのですね。 非常にオーソドックスなのですけど、特別なことをやる必要ないですよね。
私は今、古文書を研究とかしているのは特殊な研究だけど、みんながみんなするわけじゃないじゃないですか。
やっぱり地域でできる防災というのは、地域のことを知っている方とかを防災士さんと一緒にできるものをここでしっかり適用していくということはやはり大事かなと私は思っています。

(太田)いろんなところに今後も入っていきながら、フィールドワークしながら、防災を広げ、そして防災のために必要な研究をしていくということですね。

(西山)そういうことですね。その地域性を考えながら、災害図上訓練や街歩きをすること、あとはマイタイムラインってありますね。
あれも地域に根差してやっていきます。汎用的なイメージでやるのではなくて、この地域だったらこのマイタイムラインで、こうなったらこうしようとかって書くじゃないですかね。なんかそういったところも含めて、やっていけたらいいなと思っています。

(百市)確かに、以前西山先生も防災って一言で言っても、地域とのかけあわせが大切ってお話されていたと思うのですが、私自身子どもと家の周りを散歩するときには、「あぁここにはこのお花が咲いているね」とか「松ぼっくりほしくなったら、この公園来たらあるね」と言いながら歩きます。
でもその声掛けをちょっと災害時のイメージに変えて、「雨がたくさん降ったら、ここの川はこうなるかもね」とか防災に寄せて、話してみるのもありなのかなと思いました。

(太田)まさに家族でそういう話をするというのは大切ですよね。そしてそれを地域に広げるということも大切で、地域でそういう取り組みをすすめたい、それが必要だ、で西山先生のように、それを上から目線ではなくて、同じ目線でしっかりと取り組んでいきたいと考えている専門家の方がいらっしゃるというのは心強いなと思いました。

(百市)KBCラジオみんなで防災
今週は「過去の災害に学び、どう備えるか その9」をお送りしました。

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