大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その5
2024年12月04日
[番組で紹介した情報]
(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。
(百市)百市なるみです。
(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
(太田)令和2年(2020年)7月に大規模な浸水被害に襲われた大牟田市。最大で1.9mの浸水被害が発生した樋口町周辺では床上浸水681世帯、床下浸水312世帯を数え、1人の尊いいのちが失われました。
発生当時も現在も災害対応の陣頭指揮にあたる大牟田市の栗原敬幸防災危機管理室長にお話しを伺います。
今週は栗原さんに、自助、共助、公助の「公助」についてお話を伺います。
(栗原)各自治体に防災担当ってあるんですけれど、それぞれ自治体の体力に合わせて体制を作ってあります。
大牟田の場合は、防災の専属の職員が9名いるんですけれど、自治体によってですね他の仕事も兼務してやってる。例えば、選挙をやってたりとか総務をやってたり、その上で防災もやってますっていうようなところもありますけど、でもそれはその自治体の災害のリスクにあった体制ではないんですよね。あくまでも、その自治体の職員数に応じて割り振りをやってる。ただ、でも災害のリスクはそういう職員が少ないところの方が高い時もあるんですよね。自治体で職員が多いところは大牟田みたいに専属の職員がいるけど、必ずしもリスクが高くないところもありますし、そこのギャップがすごくあって、特に人数が少ないところとかは、経験年数が浅い職員も多いし、今年、防災に移動してきました、私1人なんですって、いきなりもう梅雨に入っていくんですけどね。
それはものすごく大変だなという風に受け取ってます。そういった中で公助として役割を求められるっていうのはものすごく厳しいだろうと思います。
自助、共助というものがありながらも、やはり公助の活動っていうのは、やはり高いものを求められますので、それに答えるだけの色んな体制を作っていく必要があるんですけど、これもやはりそれぞれの自治体によってまた取り組み方が違いますし、大牟田の場合は、経験をしてるっていう、本当は経験しない方がいいんですけど、それによって大きい災害を受けたとしても、ある程度、経験値で乗り越えることもできるかと思うんですけど、全く経験がない自治体がいきなり大きな災害を受けるというのは、非常に対応するのが難しいだろうという風に。そういう意味ではですね、基礎自治体である市町村だけに災害対応をやらせるっていうのが、本当にいいのかどうかっていうのはちょっと個人的な意見ですけど、やっぱり考えるところがありますね。
県単位と都道府県単位とか国単位で考えると5年に1回の頻度とか、国単位になると毎年どっかであってますからね。そのノウハウをうまく基礎自治体に渡していただければですね、いいのかなと思いますし、基礎自治体も職員が被災することもありますので、やっぱりもっと国や県の関与というのが、災害対応については必要じゃないかなというふうに思っています。
(百市)ちょうど先日、以前豪雨被害にあったという農家にお邪魔してお話を伺う機会があったんですが、やはりその時も自治体ですとか県や国で対応してもらうのはすごく時間がかかって、地域のボランティアの方々にすごく助けられたんですよねと伺ったんですね。
年々温暖化で全国的にみても今まで被害がなかったところで大きな被害が出ていることもありますし、この「公助」のスピード感、課題というのはまだまだ大きいんですかね?
(太田)そのためにシステムを変えるべきなのではないかと陣頭指揮にあたっている栗原さんの発言はやっぱり重いものがあるなと思いますよね。
(百市)KBCラジオ「みんなで防災」
今週は「大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その5」をお送りしました。太田さん来週は?