放送内容

「地震」の話

2025年12月23日

[番組で紹介した情報]

(太田)KBCラジオ ヒルマニ 後半のこの時間は「みんなで防災」をお送りします。

ヒルマニ火曜日後半戦
今週は「KBCラジオ みんなで防災!」をお送りします。
KBC防災ネットワーク主幹兼解説委員の太田祐輔です。

引き続きスタジオには加藤恭子アナウンサーです。

(太田)この時間はあなたの命を守る防災について考えていきます。

今年最後のみんなで防災なんですが、きょうは地震の話をお送りします。

12月8日(月)に八戸沖を震源とする地震が発生しました。 最大震度6強の大きな地震でそのあとには「後発地震情報」というのが出されました。

最大震度6強の大きな地震でそのあとには「後発地震情報」というのが出されました。

(加藤AN)後発地震情報というのはどういうものなんですか。

(太田)「後発地震情報」とは、巨大地震の想定震源域やその周辺で、比較的大きな地震(先発地震)が発生した際に、その後の約1週間程度、さらに大きな地震(後発地震)が発生する可能性が通常よりも相対的に高まっているとして、気象庁や内閣府から発表される注意情報です。
先日まで「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が出されていました。
目的は 巨大地震の発生リスクが高まっていることを知らせ、住民や企業に改めて防災対策の再確認を促すことです。

求められる行動についてですが、
○ この情報により、すぐに避難する必要はありません。
○ しかし、家具の固定や非常持ち出し品の再確認、津波避難対象地域ではすぐに避難できる準備など、「備えを徹底する」ことが求められます。

(加藤AN)南海トラフの地震の時にも南海トラフ臨時情報というのが出されますよね

(太田)「後発地震情報」とよく似た情報に、「南海トラフ地震臨時情報」があります。これらは、どちらも連鎖的な地震への注意を促す情報ですが、対象地域と求められる防災対応のレベルに違いがあります。

【項  目】 後発地震情報(北海道・三陸沖) 南海トラフ地震臨時情報
【対  象】 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震 南海トラフ沿いで発生する巨大地震
【発表条件】 Mw7.0以上の地震発生など(後発の注意喚起) Mw6.8以上の地震、または異常な地殻変動を観測した場合(調査中・警戒・注意の3段階)
【防災対応】 普段通りの生活を維持しつつ、防災対策を再確認・徹底する。 発生した異常に応じた事前避難や社会的活動の抑制など、より具体的に強い対応が求められる場合がある。

特に「南海トラフ地震臨時情報」は、異常現象のレベルによって「巨大地震警戒」などのキーワードが付与され、その場合は特定の地域での避難対象者の事前避難が具体的に呼びかけられるなど、より強い防災対応が必要となる点が、現在の「後発地震注意情報」との大きな違いです。________________________________________

(太田)それと南海トラフ地震での福岡県の被害ですが、被害想定は福岡については大きくはないのですが、
福岡県は南海トラフ巨大地震の想定震源域からは距離があるものの、発生時には最大震度5強、瀬戸内海側などの沿岸部では津波の影響も想定されており、最大で数メートルの津波が到達する可能性も指摘されています。

(加藤)南海トラフ地震以外での福岡県の地震に関しては福岡西方沖地震の震源となった警固断層の地震被害も心配ですよね。

(太田)福岡は直下型地震(活断層)のリスクがあります。
2005年の「福岡県西方沖地震」(警固断層帯の一部)の記憶を忘れてはいけません。県内には警固断層帯のほか、福智山断層帯など複数の活断層が存在します。
直下型地震は、突発的に発生し、震源が浅いため、短時間で強烈な揺れが襲うのが特徴です。

■最新の被害想定(2025年最新想定)
福岡県は、2011年度以来となる最新の被害想定を公表しました。最も大きな被害が想定されているのは、福岡市の中心部を南北に貫く「警固断層帯」の活動による地震です。

【想定地震】 警固断層帯(全域活動)
【想定規模】 マグニチュード7.7
【最大震度】 震度7
【想定被害】(例) 死者:約1,800人、負傷者:約12,000人、建物全壊/焼失:約36,000棟

以前の想定と比べ、建物倒壊被害などが増加しており、特に福岡都市圏での甚大な被害が予測されています。
死者1800人の予想です。しかもいつ起こってもおかしくない状況。
警固断層での30年以内に大規模な地震が発生する確率は最大で6%といわれています。
最大値(6%)をとると、日本の主な活断層の中では、最も発生する可能性が高いグループ(Sランク)に分類されます。
とにかく備えてください。

(加藤)改めてどう備えればいいかを教えてもらえますか。

(太田)いまこの時間にしておいた方がいいこと
1. 家具の固定: 震度7にも耐えるよう、寝室など命を守る空間の家具固定を最優先で行う。
2. 備蓄の強化: 水・食料は最低3日分、できれば1週間分を確保し、非常持ち出し袋を点検する。
3. 避難場所・経路の確認: 自宅、学校、職場など、それぞれの場所からの避難経路と、避難場所・避難所を家族と共有しておく。

プラスして気を付けておくべきなのが地盤の液状化・軟弱地盤での揺れの増幅です。
博多湾岸や、河川沿いの埋立地などは、地震の揺れによって液状化が発生したり、揺れが周辺よりも増幅されやすくなったりする可能性があります。お住まいの地域や職場の地盤情報をハザードマップで確認することが重要です。

(太田)今年最後のKBCラジオみんなで防災 今日は「地震」について考えました。

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