内水氾濫について考える
2019年09月25日
[番組で紹介した情報]
いのちを守る防災ラジオ、KBC防災解説委員の太田祐輔です。
百市なるみです。
毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
今日のテーマは「内水氾濫について考える」です。
先週の放送で北九州市の道路維持課の緒方さんに「アンダーパス」(地下道を使った立体交差である)の災害対策について、話を聞きました。
なぜアンダーパスが水につかってしまうのか。それは「内水氾濫」が起き始めているからなんです。
内水氾濫とはなにかを今日は考えます。
百市
「マンホールから、大雨などの後に水が沸き上がっていることがありますが、ああいうのも内水氾濫なんですか?」
太田
「そうです。内水氾濫の前兆と言えます。
市街地などに短時間で局地的な大雨がふると、下水道や排水路が水をさばききれなくなりますね。
そうなるとあふれ出した雨水が建物や土地、道路などを水浸しにしてしまいます。それが内水氾濫です。」
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百市
「内水氾濫ってどういう特徴がありますか?」
太田
「雨が降ってから浸水被害までの時間が短かいことが特徴です。
それと、河川から離れた地域でも起きるというのが特徴です。
雨の降り方で1時間に50ミリ以上の「非常に激しい雨」(バケツをひっくりかえしたような雨)や、80ミリ以上の「猛烈な雨」(傘が役に立たない。)が降ると都市部ではアンダーパスの浸水が始まります。これが内水氾濫の前兆で、そのあと短時間に被害が広がる場合があります。」
アンダーパス以外にはどういったことが起こるのか
百市
「アンダーパス以外にはどういったことが起こるのですか」
太田
「側溝やマンホールから水があふれ出してきたりします。これは内水氾濫の前兆ともいえるのです。
側溝と道路の境目がわからなくなり、側溝に足を取られると非常に危険です。大人でも流されてしまう場合があります。
この状況になると、無理をして避難所にいくより、建物の2階に移動したほうが安全な場合があります。
都市部の内水氾濫は雨がやめば、短時間で水が引くことが多いのですが、怖いのが内水氾濫を起こすような支流の流れが、川の本流の水位が上がることで、本流に流れるどころか押し戻されるようになり、支流があふれ出す状況になることです。
これをバックウォーター現象といいます。
そうなると、急激に被害が拡大する可能性があります。
2018年の西日本豪雨で、大きな被害がでましたが、岡山県倉敷市では1級河川の小田川よりも水位が低かった支流に水が逆流し、冠水で多くの人の命が奪われました。
雨が降り続くとこういった状況に陥る可能性もあるので、気を付けなくてはいけません。その前兆のようなものをしっかりと感じ取る必要がありますね。」
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百市
「内水氾濫というのは短時間に被害が広がってしまうということで、それが一番怖いですよね。前兆があるのであれば、それをしっかり感じ取ることが必要ですよね。」
今日の防災ラジオ テーマ「内水氾濫を考える」をお送りしました。
それでは太田さん
今日のまとめをお願いします。