『バスやトラックを支えるリトレッドタイヤ』
2022年09月10日
第111回目の放送は『バスやトラックを支えるリトレッドタイヤ』
SDGsの目標との関係は・・
目標9 『産業と技術革新の基盤をつくろう』
目標12 『つくる責任 つかう責任』です。
お仕事でトラックやバスに乗るという方もいらっしゃると思いますが、
ゴムの街・久留米市で、主にトラックやバス用のタイヤが
リサイクルされているってご存じでしょうか?
これ、「リトレッドタイヤ」というもので、ずいぶん昔から作られていたそうですが、
SDGsの観点から、改めて注目され、その価値が高まっているということなんです。
そこで、このリトレッドタイヤを製造・販売されていていらっしゃる
日米ゴム株式会社 代表取締役社長の安倍徳博さんにお話を伺いました。
◆戦後間もない1947年10月に会社が設立され、
当初から「リトレッドタイヤ」の製造をされていたとのこと。
ドイツでは戦前から行われていたということなのですが、
おそらく日本で初めてのリトレッドタイヤのメーカーなんだそうです。
◆通常、トレッド部分(ギザギザの溝部分)が摩耗したときに
タイヤは寿命を迎え、交換時期になりますが、
トラックやバスの場合、トレッド以外の部分がしっかりしているので、
1回しか使わずに新しいものにするともったいない!
そこで、摩耗したトレッドを一回削って、新しいとトレッドを加工することで、
再利用が可能になるということなんですね。
◆リトレッドタイヤにすることで、コストは新品の価格と比較するとおよそ70%に。
また、原料も50%~60%少なくて済むそう。
さらに、CO2排出量は40%強も減らせるそうです。
◆そうなると、気になるのは、その安全性や耐久性ですよね。
耐久性に関しては、表面に再加工するゴムの性質を、
お客様の用途に応じて細かく変更できるため、
むしろ新品より耐久性が伸びることもあるのこと。
安全性に関しては、新品よりごくわずかに下がるとされているものの、
使用する場所をきちんと限定し、基準を守って、点検をきちんと行うことで、
問題なく使用できるそうです。
◆トラックやバスだと平均で2回、特殊な条件の下で使用する場合では3回
リサイクルすることが可能なのですが、
日本は、アメリカやヨーロッパに比べて、リトレッドタイヤの導入率は20%弱と
昔から低いそうです。
近年、SDGsの観点から、国や自治体による導入推進の動きも少しずつ出てきていて、
広島ではそういった動きが進んでいるものの、残念ながら、福岡ではまだ出てきていないとのこと。
トラックやバスに乗る機会がないと、なかなか意識することも少ないかもしれませんが、
ぜひ、こういったリサイクルタイヤを長年製造している会社があるということを知って、
覚えていただければと思います。
今後の日米ゴム株式会社の取り組み、そして、リトレッドタイヤの普及の動きに注目しましょう。
トラックやバスを業務で使用されている方、ご興味のある方が、
ぜひ日米ゴム株式会社のホームページ(下記リンク)もチェックしてみてくださいね。