"アサデス。KBC"でお馴染み、福岡の朝の顔『徳永玲子』が、
土曜のあさに、今だからこそ、
親子で楽しみたいの昔ばなしを
ラジオでご紹介・読み聞かせをします!
在宅時間が多くなり、ストレスを抱えたお子さん、
親御さんが一緒に聴いて楽しめる。そんな番組です!

徳永玲子
1965年7月19日生まれ
福岡県太宰府市出身
子供のころからお話が大好きでした。今は子供が大好きです。
お話会で見た子供たちのキラキラした笑顔を胸に
真心こめて朗読します。
大人の方も是非、遊びに来てくださいね。

バックナンバー

強いぞ金太郎! その1

強いぞ金太郎!その①

むかし、むかし、相模の国の足柄山に金太郎と言う、それはそれは強い子供がお母さんと一緒に暮らしていました。
金太郎は生まれた時から力持ちで、重い石臼や俵なんかも簡単に持ち上げることができました。
大好きな相撲は、大人を相手にしても一度も負けません。ついには相撲を取る相手がいなくなってしまいました。

相撲が取れない金太郎はしょうがないので、おかあさんにもらったまさかりを担いで森に出かけました。そしてのしのし歩いていくうちに、大きな木が目の前に現れると、「えいっ、ええいっ」とまさかりを振り回し、木を切り倒しては「どんなもんだい」と、おもしろがっていました。

そんなある日のこと、森の奥のほう、奥のほうへと金太郎が入っていき、まさかりを振り回して木を切っていると、のっしのっしと大きなクマが現れました。
クマは「勝手に森の木を切るおまえはだれだ!」と叫ぶや否や金太郎へとびかかってきました。
「クマのくせに、金太郎を知らないのか!」と、金太郎は叫び、
クマを抱え込むと「やっ~!」と、クマを地べたに投げ倒しました。
どし~~ん、と大きな音を立てて地面にたたきつけられたクマはたまりません。
「うっ、あっ、すみませんでした」と謝り「あなたのような豪傑の家来にしてください」と、金太郎に頼みました。
そんなクマを見たウサギや、サルやシカたちも現れて「金太郎さん、私たちもあなたの家来にしてください」と頼みました。
金太郎は「よしよし」とうなずき、森のみんなを家来にしました。

つづく

強いぞ金太郎! その2

強いぞ金太郎!その②

ある日のこと、相模の国の足柄山の奥深くに住んでいる金太郎は、お母さんに大好きな大きな大きなおにぎりを作ってもらい、森に出かけて、家来たちと相撲を取りました。
ところが、金太郎一人を相手に、うさぎがかかっていっても、サルが飛びついても、鹿が向かって行っても、クマがどしんとぶつかっていっても、金太郎にころころと転がされてしまい、誰も勝てませんでした。
家来たちはみな口をそろえて「まいりました」と降参することしかできませんでした。

金太郎は、うさぎとサルとシカとクマの家来たちを集めると、「負けてかわいそうだから、お母さんに作ってもらったこの大きな大きなおにぎりをみんなで食べよう」と言い、みんなで大きな大きなおにぎりを平らげました。
「大好きなおにぎり、みんなで食べておいしかったな。さあ、帰ろう。」金太郎はそう満足そうに言いました。

その帰り道、金太郎と家来たちは深い谷川に出ました。水が「ごうごう」と流れています。
しかし、金太郎は平気な顔で、まわりを見渡すと岸に生えている大きな杉の木を「えいえい」と押し始めました。
すると・・・メキ、メキメキッ、メキメキッ、どしん!
大きな音を立てて杉の木が倒れ、立派な橋ができました。
金太郎は、まさかりを担ぎなおすと、うさぎとサルとシカとクマの家来たちを率いて、堂々と橋を渡って帰りました。

さるかに合戦

さるかに合戦

むかしむかし、柿の種を拾ったいじわるなサルが、大きなおにぎりを持ったお母さん蟹と出会いました。
「蟹さん、おいらの種とおにぎりを交換しないかい?この種で柿の実がいっぱいできるよ」
子供たちにたくさん柿を食べさせようと思ったおかあさん蟹はおにぎりと交換して、家に帰って柿の種を植えました。

「♪は~やく目を出せ柿の種。でないとはさみでちょんぎるぞ!」
するとどうでしょう。種からニョキッと芽が出てきました。
「♪は~やく実がなれ、柿の木よ。でないとはさみでちょんぎるぞ!」
今度は柿の木にたくさんの実がなりました。

大喜びしていると、さっきのサルがやってきてスルスルッと柿の木に登るとムシャムシャムシャと赤く実った柿を食べてしまいました。
「サルさん、それは子供たちの分ですよ」おかあさん蟹が怒って言うと「うるさいな。これでも食べてろ!」と言って青くて固い柿を投げつけて、おかあさん蟹は大けがをしてしまいました。

子蟹たちはおかあさん蟹に駆け寄り「母さん、しっかりして!僕たちがサルに仕返しをしてやるから!」そう誓って、友達の石臼と蜂と栗に協力してもらうことにして、サルの家に行き、こっそり隠れて帰りを待ちました。
「あ~、寒い寒い!」と外から帰ってきたサルが囲炉裏にあたろうと近づいたところ、隠れていた栗がバチーンと弾けてサルの鼻っ面に体当たり。
「うわ~、熱い!水だ、水だ!」
やけどした鼻を冷やそうと水瓶に顔を突っ込もうとすると蜂がブ~ンと飛び出してサルの目の上を嫌という程刺しました。
「あ~、痛い、痛い!」
慌てて表に飛び出したところにドスーンと屋根から石臼が落ちてきてサルが下敷きになりました。
「参った、参った!ごめんなさい!」
それから改心したサルは二度と意地悪はしなくなりましたとさ。
(おわり)

たにしの長者

たにしの長者

むかし、ある村にたいそうお金持ちの長者と貧乏な夫婦が住んでいました。
夫婦は子を授けて欲しいと毎日、村の水神(すいじん)様(さま)に熱心に祈っていました。そんなふたりにひょこっと生まれたのはたにしの子でした。たにしの子とは言え、水神様の申し子と言うことでそれはそれは大事に育てました。

十年ほどたったある日、夫婦が年貢のお米を長者のもとへ運ぼうとすると「おとうさん、おとうさん、その米を運ぶよ」と声がしました。2人はびっくりしましたが、水神様の申し子だからと、米俵を馬に載せ、その上にたにしの子を乗せて送り出しました。

長者の家では、誰もついていない馬が、シャンシャンと鈴を鳴らし、米を運んできたから大騒動。
「だ、旦那様。たにしが馬を引いて米を持ってきました!」とみんなが騒ぎますが、たにしの子はてきぱきとみんなに指示し、米を蔵へ積み込ませました。
「水神様の申し子とはいえ、こんなに賢いたにしは珍しい」と思った長者は、娘と結婚させたいと思いました。
まず姉むすめに話しましたが、話半分で怒り出しました。
妹は、「お父さんの言うことなら」と、すなおに受け入れたので、とうとう、たにしの子は長者のむこになりました。

ある日、お嫁さんの里へ帰る途中、水神様のお社の前でたにしのお婿さんが休んでいこうと言いだしました。
「日向ぼっこをしている間、お社(やしろ)でお参りしてくるといいよ」そう言われおよめさんがお参りすると、お婿さんが見当たりません。(どこか転がり落ちたのか、カラスがついばんで持っていたのか)
泥まみれになって近くの田んぼを探し回りましたが、目につくのは普通のたにしばかり。
すっかりくたびれ涙顔のお嫁さんの前に、ふと光るようなうつくしいわかものが現れました。
水神様の申し子ながらたにしに封(ふう)じ込められていたのが、およめさんがまごころをこめてお参りしたおかげで、りっぱな姿にかわることができたのです。

こうして、ちいさなたにしから出世したお婿さんは、たにしの長者とよばれ幸せに過ごしました。

桃太郎

桃太郎

むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
まいにち、おじいさんは山へしば刈(か)りに、おばあさんは川へ洗濯(せんたく)に行きました。
ある日、おばあさんが、川のそばで、洗濯(せんたく)をしていると、大きな桃(もも)が「ドンブラコ、ドンブラコ」と流(なが)れて来(き)ました。
桃を家へ持ち帰り、おじいさんと一緒に食べようと割ると、なんと中から元気な男の子が「おぎゃー」と出てきました。
男の子は桃から生まれたので桃太郎と名づけられました。

すくすくと育ったある日、桃太郎はおじいさんとおばあさんに向かって、「鬼が島へ鬼征伐に行ってきます!」と元気よく宣言しました。
桃太郎が、きび団子を腰に結わえ、ずんずんと鬼が島の方へ進んでいくと「わんわん」と犬が現れ、「きび団子を一つ下(くだ)さい、お供(とも)しましょう。」と言いました。
犬にきび団子を与え、家来にすると、サルとキジも現れ、きび団子の替りに鬼退治に同行することになりました。
鬼が島には、たくさんの鬼が桃太郎たちを待ち構えていました。

ところが、まずはキジが空から鬼たちに「ビュン」と襲い掛かり、「トトトトトトト」と目をつつくと、今度は犬が「ワワワわん」と鬼たちに飛び掛かり、むこうずねに食いつきます。
猿も散々鬼たちの顔を「キキーッキキキー」とひっかくと、もうたまりません。
「降参しますので命だけは助けてください。宝物は差し上げます」
ついに、鬼たちは泣きながら桃太郎に降参しました。

桃太郎の一行は、船に宝ものを山のように積むと、意気揚々と凱旋しました。

ネズミの嫁入り

ねずみの嫁入り

むかしむかし、裕福(ゆうふく)なネズミの一家がおりまして、年頃(としごろ)の一人娘(ひとりむすめ)のチュー子を結婚させようということになりました。

世界一大事な娘には世界一の婿を見つけないと、ということになり、父さんネズミと母さんネズミは、広い世界を力強く照らしているお日様のところに行って頼みました。
「世界一強いお日様、チュー子を嫁にもらってください」
するとお日様は、
「そりゃありがたいが、雲はわしより強いぞ。わしを隠(かく)してしまうからな」
そこで、父さんネズミと母さんネズミは雲のところに行き、同じように頼んだところ、雲は言いました。
「風はわしより強いぞ。わしを吹き飛ばしてしまうからな」
すぐに風のところへ行き、また同じように頼みました。今度は、
「壁(かべ)はわしより強いぞ。いくら吹いてもわしを跳(は)ね返してしまうからな。」
と言われました。
親ネズミは今度こそはと、壁(かべ)のところへ行き
「本当に世界一強い壁(かべ)さん。娘を嫁にもらってください」と頼むと、壁は言いました。
「そりゃありがたいが、わしより強いのはネズミじゃ。ネズミはわしをかじって穴を開けてしまうからな」
それを聞いて父さんネズミと母さんネズミはハッとしました。
「何と!世界で一番強いのは、わしらネズミじゃったんじゃ!」

そこでチュー子は隣に住む幼馴染(おさななじみ)のネズミのチュー吉と結婚することになり、仲良く幸せにくらしました。
(おわり)

こぶとりじいさん

こぶとりじいさん

むかしむかし、あるところに右のほっぺに大きなこぶのあるおじいさんと、左のほっぺに大きなこぶのあるおじいさんが住んでいました。それらはとても大きなこぶで、畑(はたけ)仕事(しごと)をしていてもブルンブルンと揺れてとても邪魔(じゃま)でした。

ある日のこと、右のほっぺにこぶがあるおじいさんが森の中で雨(あま)宿り(やどり)をしているとウトウトウトウトと眠り込んで真夜中(まよなか)になりました。
「おや?これはなんじゃ?」
目を覚ますと、賑(にぎ)やかなお囃子(はやし)に合わせて目の前でたくさんの鬼たちが輪(わ)になって踊っていました。
♪ピーヒャラ、ピーキャラ、ドンドンドン!♪ピーヒャラ、ピーヒャラ、ドンドンドン!
飲んで歌っての大騒ぎです。
最初は怖がっていたおじいさんでしたが、そのうちに楽しくなって一緒に体をフリフリ、踊りだしてしまいました。
「おお(笑)!おもしろいやつじゃ。明日(あす)もまた踊りに来い。それまではこのこぶを預(あず)かっておくからな・・・エイ!(ブチ!)」
おじいさんの大きなこぶは鬼の親分(おやぶん)からもぎ取られてしまいました。
こぶが無くなったおじいさんは村に帰ってさっそくもう一人のおじいさんに昨夜(さくや)の不思議な話をしました。
「よし、それならわしもこぶをとってもらおう!」
もう一人のおじいさんは真夜中(まよなか)に森に行き、鬼たちが踊っているところに近づいていきました。
「お!待っておったぞ。踊れ踊れ!」
鬼たちは喜んで声をかけましたが、おじいさんは鬼が怖(こわ)くて体が震(ふる)え、どうしてもへっぴり腰(ごし)になってうまく踊れません。
「ええい!へたくそ!約束通りにこれを返してやるから二度と来るな!」
そう言うと鬼は昨日もぎ取ったこぶをもう一人のおじいさんの右のほっぺにペタンとくっつけてしまいました。こうしてほっぺのこぶが二つになってしまったおじいさんは、泣きながら村に帰っていきました。
(おわり)

かちかち山

かちかち山(やま)

むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、おじいさんは、いたずらばかりするタヌキを捕(つか)まえてきて、家(いえ)の梁(はり)に吊(つ)り下げてから、自分が帰るまでにタヌキ汁(じる)にするようにおばあさんに伝えて畑(はたけ)に出ていきました。
「もしもしおばあさん。お手伝(てつだ)いをするのでこの縄(なわ)をとってくださいまし。」
タヌキはそう言って縄をほどいてもらうと、おばあさんをバーンと殴(なぐ)り殺(ころ)して逃げてしまいました。家に帰ったおじいさんは悔(くや)しくておいおい泣きました。

そこに裏山(うらやま)からうさぎがやってきたので相談(そうだん)すると、「何てひどいことを!私(わたし)が仇(かたき)を打ちます!」
そう言って、うさぎはさっそくタヌキを栗(くり)拾(ひろ)いに誘い、芝(しば)を背負(せお)わせて山に向かいました。
「カチカチカチ。」
道中(どうちゅう)、うさぎは小石で火を起こし、タヌキの背中(せなか)の芝(しば)にこっそり火をつけました。「アチ!アチ、アチチチチチ!」
ボウボウと芝(しば)が燃え始めてタヌキは泣き叫(さけ)び、背中に大やけどを負ってしまいました。
次の日、うさぎはやけどに効くと嘘(うそ)をついて唐辛子(とうがらし)入りの味噌(みそ)をタヌキの赤くただれた背中に塗(ぬ)り込みました。
「うわ!痛い!痛い!」
転(ころ)げまわって苦しむタヌキを横目(よこめ)にうさぎは帰っていきました。

数日(すうにち)経(た)ってから、うさぎはタヌキを海(うみ)釣(づ)りに誘いました。
うさぎは木の船に乗り、タヌキは土で作った船に乗り込みました。沖(おき)に行こうとうさぎが誘ったのでタヌキもどんどん漕ぎ出しました。
そのうち、だんたんと水がしみてきて、土の船は崩(くず)れ始めました。
「ああ!沈む!助けてくれ!」
うさぎはタヌキが慌(あわ)てる様子をおもしろそうに眺(なが)めて言いました。
「ざまを見ろ。おばあさんを騙(だま)して殺した報(むく)いだ」
タヌキはそのまま海の底に沈(しず)んでしまいました。
(おわり)

舌切りすずめ

舌(した)きりすずめ

むかしむかし、あるところに優しいおじいさんといじわるなおばあさんが住んでいました。
おじいさんは一羽(いちわ)の雀(すずめ)を飼っていたのですが、ある日、おじいさんの留守中(るすちゅう)におばあさんが作ったノリを雀(すずめ)が食べてしまったので、怒ったおばあさんは雀(すずめ)の舌(した)を「チョッキン!」と切ってしまいました。雀(すずめ)は泣きながら藪(やぶ)の中(なか)に飛んで逃げていきました。
家に帰ってそのことを聞いたおじいさんはたいそう雀(すずめ)を心配し、雀(すずめ)を探しに出かけました。

「お~い、雀(すずめ)や。舌切(したき)り雀(すずめ)や。どこにいる?」
すると藪(やぶ)のかげから、チュンチュンと鳴き声がして、大勢(おおぜい)の雀(すずめ)たちが現れました。見ると舌(した)を切られた雀(すずめ)もいます。
「おお、すまなかったな。大丈夫か?」
心配してきてくれたおじいさんをもてなそうと、雀(すずめ)たちはおじいさんを家に招(まね)き入れました。そこで雀(すずめ)踊(おど)りをしたり、おいしいごちそうをたくさん振舞(ふるま)ってくれました。
おじいさんが礼(れい)を言って帰ろうとすると「おじいさん、どちらか好きな方(ほう)を持って帰ってください」と言って大きなつづらと小さなつづらを持ってきました。
おじいさんは小さなつづらをもって家に帰って開けてみると、大判(おおばん)小判(こばん)がザックザックと出てくるではありませんか。それを見たおばあさんは、自分ももらいに行こうと、さっそく藪(やぶ)の中に向かい、雀(すずめ)の家に入るやいなや、「私にもつづらをおくれ」と催(さい)促(そく)しました。雀(すずめ)たちはあきれながらも、大きなつづらと小さなつづらを用意すると、おばあさんは迷(まよ)わず大きなつづらを選んで、そそくさと帰っていきました。

家までの道(みち)すがら、おばあさんは、つづらの中身(なかみ)が気になって仕方がありません。
「どれ、何が入っているのかね。きっと大判小判がザックザック。。。ひえ~~!!」
出てきたのはムカデにハチにヘビに、ろくろ首などの怖い(こわい)のお化けたちでした。おばあさんは一目散(いちもくさん)に家に逃げて帰り、もう欲張(よくば)りで意地悪(いじわる)なことはしないと心に誓(ちか)ったのでした。
(おわり)

一寸法師

一寸法師(いっすんぼうし)

むかし、摂津(せっつ)の国(くに)に子供の無い老夫婦がいました。子供を恵んで下さるよう神(かみ)さまにお祈りしたところ、小さな(ちい)親指(おやゆび)ほどの大きさの男の子を授かり(さずかり)ました。
「一寸法師(いっすんぼうし)」と名付けられたその子はとても大事に育てられたのですが、いくつになっても背が伸びませんでした。

そして一寸法師が十六になったある日、「どうかお暇(ひま)を下さい。京(みやこ)に行って運だめしをしてきます。」と申し出たので「よしよし、行っておいで。」と老夫婦は許しを出しました。
刀の代わりに縫い針(ぬいばり)を、鞘(さや)には麦わらをこしらえ、お椀(わん)の船に乗ってお箸(はし)の櫂(かい)を漕いで(こいで)、三日(みっか)三晩(みばん)で京に着きました。
京では立派な屋敷を見つけ、働かせてもらうことになりました。

ある日のこと、一寸法師は、お屋敷のお姫様のお供(とも)で島に行くことになりました。二人で歩いていると、突然目の前から二匹の鬼がひょっこり飛び出してきました。
「まてまて!このお方(かた)は姫(ひめ)君(ぎみ)だぞ。失礼なまねをすると、この一寸法師が承知しないぞ。」と声を張り上げましたが、鬼から見ると小さな豆粒くらいの姿です。
「何だ。面倒(めんどう)くさい、飲んでしまえ!」
というが早いか、鬼は一寸法師をつまみ上げて、ぱっくり一口(ひとくち)に飲んでしまいました。
しかし、一寸法師は刀を持ったまま、するすると鬼のおなかの中へすべり込み、大暴れするもんだからたまりません。
「アッ、痛い(いたい)!アッ、痛い(いたい)!こりゃたまらん!」
と地(じ)べたをころげ回り、一寸法師を口から吐き出して逃げてしまいました。
鬼の後姿を見送っていると、脇に願いが叶うという「打ち出の小槌(こづち)」が転げ落ち(ころげおち)ちているのを見つけました。
一寸法師は、その小槌(こづち)を振り上げて、「大きくなれ。」 といいながら、一度振ると背(せい)がずんと伸び、二度振るとずずんと伸び、三度めには立派な姿になりました。
そして一寸法師はお姫様をお嫁に迎えて仲良く幸せに暮らしました。

大江山の鬼

大江山の鬼

むかし、むかし、丹波の国の大江山に酒呑(しゅてん)童子(どうじ)という、それはそれは恐ろしい鬼が手下たちと住んでいて、夜な夜な都へ出かけては、子供たちをさらっていました。

天子様は親たちの嘆きを聞き、勇者と名高い源氏(げんじ)の大将、源(みなもと)の頼光(よりみつ)に大江山の鬼退治を命じられました。
頼光は家来らとともに、「大江山の鬼どもを退治させてください」と神様に武運を祈ると、山伏の姿になり、大江山へ向かいました。
道中、頼光らは奥深い山中の小さな山小屋に住む3人のおじいさんに出会いました。
じつは、この3人のおじいさんは武運を祈った神様の化身でした。
「あの鬼は、酒呑童子という名前で、その名の通りお酒が大好きです。このお酒を飲ませて、酔いつぶれたところをやっつけてください」
3人が神様の化身とは知らない頼光らは、お酒をいただくと酒呑童子の御殿へとさらに進みました。
「酒呑童子様へお酒を持ってまいりました」
「おお、そうか。(笑)よし、酒盛りを始めよう」
山伏姿の頼光をすっかり信じた酒呑童子は、頼光が差し出した酒を「(笑)うまいうまい」と何杯も何杯も飲みました。
すると・・・
このお酒、実は鬼が飲むと体がしびれてしまう神様のお酒でしたので、酒呑童子や手下の鬼たちは身動きが取れなくなってしまいました。
頼光らは、酒でつぶれた鬼たちを退治し、さらわれた子たちを連れて都へ凱旋しました。
天子様や都の人たちは大喜びで、頼光らの手柄を長く語り伝えたそうです。

浦島太郎

浦島(うらしま)太郎(たろう)

むかし、丹後(たんご)の国(くに)の浦島(うらしま)太郎(たろう)という漁師(りょうし)が海(うみ)で釣り(つ)をしていると、砂浜(すなはま)で子供達が一匹(いっぴき)の亀(かめ)をいじめているのを見つけました。
「かわいそうなことをするものではない。向こうに行きなさい。」
そういって子供たちを追い払い(おいはらい)、亀(かめ)を海(うみ)に逃(に)がしてあげました。

数日後(すうじつご)、また釣りをしていると、亀(かめ)が近づいてきて「先日は助けてくださってありがとうございます。お礼に龍宮(りゅうぐう)城(じょう)にお連れします。」
と言って、浦島(うらしま)太郎(たろう)を亀(かめ)の背中(せなか)に乗せて、海の中に向かったのでした。
しばらくすると、きれいな砂(すな)の道(みち)の向こうに、珊瑚(さんご)の柱(はしら)や瑠璃(るり)の廊下(ろうか)で飾られたきらきらと光る龍(りゅう)宮城(ぐうじょう)が現れました。
「亀(かめ)の命(いのち)をお助けくださりありがとうございました。どうぞゆっくりお過ごしください。」
と迎えに出てきた美しい乙姫(おとひめ)様(さま)がお礼を言うと、そこから宴(うたげ)が始まりました。
きれいな侍女(じじょ)たちが、鯛(たい)のかしらや、フグや鰹(かつお)などのたくさんのごちそうを運んできて、お酒をふるまい、歌って踊ってくれました。浦島(うらしま)太郎(たろう)はとても居心地(いごこち)が良くなって、そのまま遊(あそ)んで暮らして月日(つきひ)が流れました。

三年目の春、浦島太郎が家に帰りたいと乙姫(おとひめ)様(さま)に申し出たところ「それは残念です。この玉手箱(たまてばこ)には「大事(だいじ)な宝(たから)」がこめてございます。
お別れのしるしにさしあげますが、もしここに帰りたいと思われるなら決(けっ)して開(あ)けないでくださいね」
浦島太郎は、乙姫(おとひめ)様(さま)から玉手箱(たまてばこ)を受け取り、亀(かめ)の背中(せなか)に乗って、龍(りゅう)宮城(ぐうじょう)を去ったのでした。

浜についた浦島太郎は、通りかかった人に自分の家がどこか聞いたところ「はて。。。浦島(うらしま)太郎(たろう)は三百年も前に舟(ふね)にのったまま帰(かえ)ってこなくなったと聞きましたよ」と言われて驚きました。
「そうだ。この箱を開けてみたら何かわかるかもしれない」
浦島(うらしま)太郎(たろう)がうっかり箱を開けたところ、中(なか)から煙(けむり)がむくむくと立ち上り、スウッーっと煙(けむり)が引いたところで、浦島(うらしま)太郎(たろう)の髪(かみ)は真(ま)っ白(しろ)に、顔(かお)は皺(しわ)だらけになって、すっかりおじいさんの姿(すがた)になってしまいました。
そこで、浦島(うらしま)太郎(たろう)は、乙姫(おとひめ)様(さま)が言っていた「大事(だいじ)な宝(たから)」というのが「人(ひと)の寿命(じゅみょう)」だったと分かり、唖然(あぜん)とその場(ば)に立ちすくんだのでした。
(おわり)

花咲かじいさん

花咲かじいさん

むかしあるところに優しいおじいさんと、いじわるなおじいさんが住んでいました。
ある日優しいおじいさんは、可愛がっていた犬が「ココ掘(ほ)れ、ワンワン」と鳴くので畑(はたけ)を掘(ほ)ってみると、大判(おおばん)小判(こばん)がザックザックと出てきました。それを聞いたいじわるなおじいさんは、さっそく犬を借(か)りてきました。
「さあ早く!宝(たから)の場所を教えるんだ!」
そう言ってバチン!と犬をたたきました。「キャイン!」と鳴いた場所を掘ってみるとヘビや毛虫がゾロゾロ。お宝はひとつも見つかりません。怒ったおじいさんは犬を殴(なぐ)って殺してしまいました。
優しいおじいさんはとても悲しんで、犬の骨(ほね)を埋めてそこに木を植(う)えました。

何年(なんねん)か経ち、大きくなった木の切(き)り株(かぶ)で臼(うす)を作り、ある日その臼(うす)でお餅(もち)をペッタンペッタンとついていると、不思議(ふしぎ)なことにお餅(もち)が小判(こばん)に変わりました。
「うひゃ~!犬が小判(こばん)を恵(めぐ)んでくれた!」
おじいさんはたいそう喜びました。それを聞いたいじわるなおじいさんは、優しいおじいさんから無理矢理(むりやり)その臼(うす)を借りてきてお餅(もち)をついてみました。ところが出てくるのは犬の糞(ふん)ばかり。怒ったおじいさんは、臼(うす)を燃やしてしまいました。
優しいおじいさんは悲しんで、臼(うす)が燃えた灰をもらって帰りました。そして枯(か)れた木にその灰をかけるとどうでしょう。桜が咲き始めあっという間に満開になりました。

「花咲(はなさ)かじじいがいる」という評判(ひょうばん)は殿様(とのさま)の耳にも届き、おじいさんは殿様(とのさま)の前で腕前(うでまえ)を披露(ひろう)することになりました。
「それでは枯(か)れ木に花を咲かせましょう」
そう言って灰を撒(ま)いてはどんどん花を咲かせるおじいさんを見て殿様(とのさま)はとても喜び、たくさんの褒美(ほうび)を与えました。
それを見ていたいじわるなおじいさんも負けじと灰を撒(ま)きましたが、花が咲くどころか、灰が殿様(とのさま)の目に入ってしまいました。
「ニセの花咲(はなさ)かじじい!恥(はじ)を知(し)れ!」
殿様(とのさま)の怒りを買ったいじわるなおじいさんは捕らえられ牢屋に入れられてしまいました。
(おわり)

田原の藤太のムカデ退治

田原の藤太のムカデ退治

むかし、近江の国に田原(たわら)の藤(とう)太(た)という勇者が住んでいました。
ある日、藤太が琵琶湖近くの橋を渡ろうとすると、橋の上に大蛇(だいじゃ)がとぐろを巻いて寝ていました。しかし、藤太は少しも恐れず、大蛇の背中をずしずしと踏んで渡りました。
すると「もしもし、すみません」と藤太の背中から呼ぶ声がしました。おまえは誰だ、と藤太が振り返ると、「私は長年この湖に住む龍王です。近くの山に大ムカデが住んでいて、私の子たちをさらっていくのです。」と人の姿になった大蛇が語りました。そして「このままだと私や子供たち、湖に住む生き物すべてが滅んでしまいます。大蛇の姿の私を恐れない勇者のあなたにムカデ退治をお願いできないでしょうか」と藤太に頭を下げました。

藤太はムカデ退治を引き受けました。
その夜、ムカデを待ち構える藤太の周りが闇に包まれると、向こうの空が怪しく赤くなり、山の端にずらっと松明(たいまつ)のような火が数えきれないくらい現れました。大ムカデが現れたのです。藤太は1本目の矢をギューッと絞ると、大ムカデへひゅっと放ちました!しかし、カキーンと音がして矢が跳ね返りました。そして、2本目もダメでした。残る矢は1本だけ。
その時、藤太はムカデの苦手なものをふと思い出しました。そして、鋭くとがったやじりを口に入れ唾を漬けると大ムカデへ放ちました!ばしっ。見事、矢は大ムカデの眉間を貫いていました。大ムカデは人間の唾をきらっているのでした。

あくる朝、湖には眉間を射抜かれた大ムカデがぷかぷかと浮いていました。大ムカデを退治した藤太の勇名はますます高まりました。
(おわり)

こんなときこそ