赤ラーメンと朝どれ卵TKGの最強タッグ。「アンジュ」 年間300杯! 豚骨戦士 福岡のラーメンを斬る!VOL.22VTR~ふるさとWish 福岡県東峰村~
福岡県中央部の東端「東峰村」(とうほうむら)は深い山々に囲まれ、清らかな小川が流れる癒しの場所。小石原焼、高取焼の窯元はじめ、ちょうど今の時期は棚田親水公園周辺で舞うホタルを目当てに訪れる人も多い。
自然豊かな東峰村でラーメン!? このイメージはあまりないと思うが、そこは豚骨王国福岡県。しっかりと旨い、啜るべき一杯があるとです。
喫茶店なのにラーメンが旨い。 理由を聞けば、なるほど納得
東峰村で紹介するのは、喫茶店で“本気のラーメン”を出す「アンジュ」。
国道211号沿いに立つ店は、エントランスの植え込みがきれいに整えられ、中は、畳敷きの小上がりに和の装飾をほどこし、上品なしつらえにまとまっている。
ゆったりとしたBGMのなか、気さくな奥さまが迎えてくれ、メニュー表には喫茶&定食の品々。ここまでは普通の喫茶店なのだが、それらと合わせラーメン、黒ラーメン、赤ラーメン、ちゃんぽんも掲げている。さらにチャーシュー丼や餃子まで。喫茶店で食べるラーメン。正直そこまで期待していなかったのだが、これが旨い!! 店仕込みのスープは豚骨の深いコクがあり、臭み、ギトギト感もなく飲みやすい。甘く濃厚に炊かれたチャーシュー、煮卵にも丁寧な仕事っぷりを感じる。ラーメン専門店顔負けの味わいである。
「アンジュ」は生まれも育ちも東峰村の福嶋美貴さんが約17年前に開いた。
「母とともに作った店で、日替り弁当と定食をメインに出してきました。ラーメン、ちゃんぽんをメニューに加えたのは約2年前。息子がラーメン店での修業を経て戻ってきたので」と福嶋さん。
福嶋さんの息子は、幼い頃から無類のラーメン好き。久留米はじめ各地で食べ歩きを重ねた後、ラーメン職人を志し名店で修業。九州北部豪雨を機に、地元と家族に恩返しがしたいと帰郷を決めた。なるほど、ラーメンも旨いわけだ。ラーメンをメニューに加える前、2か月厨房に籠もり研究を重ねたスープは豚頭をじっくりと炊き込み旨味を抽出。元ダレには甘く濃厚な日田の醤油を採用した。さらに、旨さの秘密は素材の良さにもある。スープには名水「岩屋湧水」と同じ山々に磨かれた天然水を使用。野菜も地元のものを中心に選んでいる。そして、卵は店の裏にいる地鶏が産んだ朝どれ卵。ラーメンの煮卵や卵かけご飯で堪能できる。ラーメンには白ご飯が無料で付いていて、卵は1個¥30。卵かけごはんとラーメンが楽しめて¥680、定食もすべて¥600とコスパも優秀。東峰村を訪れたら立寄りたい店だ。
【アンジュ】
住所:福岡県朝倉郡東峰村福井735-1
電話:0946-72-2812
営業時間:11:00〜17:00、夜は予約制
休み:不定
席数:45席
駐車場:10台
上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島生まれ。2002年よりラーメンライターに。以降年間300杯を食べ歩き「ラーメンWalker」はじめ各媒体での執筆活動、ラーメンイベント監修などを行う。KBC地域リポーター。
※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。