復活した芦屋釜 町制施行130周年記念展示は14日まで~ふるさとWish芦屋町~

茶室に気品と重厚さを漂わせる「芦屋釜」

茶席で重宝される「芦屋釜」は、現在の福岡県・芦屋町で1300年代から作られ始め、室町時代に一世を風靡した茶の湯釜です。

特徴は、「『真形(しんなり)』とよばれる美しい形。そして『あられ』と呼ばれる整然と並んだ粒状の文様です」と話すのは「芦屋釜の里」工房業務従事者の堀内快さん。堀内さんは27歳。芦屋釜に惚れ込み、製作技法を学ぶため、2020年に石川県から移住しました。

修業2年目の堀内さん

芦屋釜との出合いは学生時代。美術鋳物の勉強をしていたところ、たまたま旅行で「芦屋釜の里」を訪れたことが人生の転機になったそう。「芦屋釜の製作技法そのものの難易度が高く、困難なものです。それに取り組むことが、とても魅力的だと思いました」。

芦屋釜は昔ながらの工法で作られています。鋳型に溶けた鉄を流し込み形作るのですが、その成功率(完璧な形となって取れるもの)は3割ほど。さらにいくつかの工程を経て、一つ作り上げるために要する期間は約4カ月だといいます。実は、江戸時代に一度製作が途絶えたそう。しかし伝統を絶やしてはならないと、町を挙げて復興に着手。ここ「芦屋釜の里」で継承者を育成しています。堀内さんもその一人。波多野茂丸町長は「芦屋町の町民のみなさんにとっても、誇りに思う大事な宝」と熱い思いを抱きます。確かな技術を後世に伝えながら、「芦屋釜」は町の誇り、シンボルとしてさらに根付いていくことでしょう。

茶室から見える庭園

「芦屋釜の里」は資料館、工房、そして3000坪の日本庭園内に3つの茶室を備えています。2021年は芦屋町の町制施行130周年にあたり、町内でさまざまなイベントを予定。同施設でも、国重要文化財に指定されている芦屋釜を7月14日(水)まで展示中です。

芦屋釜の里
福岡県遠賀郡芦屋町大字山鹿1558-3
093-223-5881

※この情報は、朝の情報番組「アサデス。KBC」(7月9日放送)とKBCラジオ「アサデス。ラジオ」(〃)でお届けしました。リポーター:内村麻美(タレント)、ジェフ太郎(〃)

※この記事は2021年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。

芦屋釜の里

住所:遠賀郡芦屋町山鹿1558-3
電話番号:093-223-5881
営業時間:室町時代に一世を風靡した「芦屋釜」の資料館や工房がある

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